Board game every day

ボードゲームの超個人的感想レビューサイト

twitter_share facebook_share googleplus_share hatena_share

お世話になってるサイコロ堂さんの通販ボードゲーム

経済が巡る!! 労働者と職場のマネジメントが癖になるワーカープレイスメント「ナショナルエコノミー」レビューと感想

      2016/06/17

NEWS : ゲームマーケット支援ツール「ゲームマーケットチェックするやーつ」を作りました。

※:日本語ルールが付属していない場合があります。必ず確認してください。

名前ナショナルエコノミー デザイナースパ帝
おすすめ度★★★★★ ルール難易度★★☆☆☆
運要素★★★☆☆ 知略・思考要素★★★☆☆
プレイ時間30~45分 年齢12歳~
プレイ人数1~4人

「ナショナルエコノミー」ってどういうゲーム?

「ナショナルエコノミー」の紹介

ボードゲーム「ナショナルエコノミー」は、シンプルなワーカープレイスメントにカードによる毎回違う展開と、労働者に払った給料による巡る経済が表現されたテーマ性の強いゲームとなっています。

最初プレイヤーは二人の労働者を持っています。この労働者を場札にある共通の職場におくって稼働させその職場にあった様々な効果を発動刺せていくのがこのゲームの基本です。そして労働者が既に入っている職場については、自分の労働者であっても基本的には二人以上入る事が出来ません。このルールをワーカープレイスメントと言います。文字通りですね。

職場の効果はカード自体に書かれています。カードをドローしたり、建物を作ったりといった事が出来るようになります。

それぞれのプレイヤーは手札としてカードを持っていて、このカードも職場となっています。建物を建てるアクションを行う事で、その建物を自分だけが使える職場として設置する事が出来るようになっています。これによってゲームをどんどん有利に進めていくわけです。

ここまで説明すると本当にシンプルなワーカープレイスメント。これといった独特な要素もないわけですが、面白いのは「労働者に払った給料が巡る」という事です。

労働者には毎ラウンド給料を払わなければならず、プレイヤーその支払いに奔走しつつ、新たな職場を建築して資産を増やす必要があります。そしてその払った給料は銀行とはまた別の「家計」と言われる場にプールされます。職場の中にある「市場」「レストラン」といった職場から、この家計にあるお金を吸い上げる事が出来るようになっています。

「プレイヤー→労働者→施設→プレイヤー」とぐるぐる巡るお金の流れ、シンプルな経済が表現されているわけですね。このルールが非常に面白く、痺れます。余りに沢山の労働者を雇えば給料を支払えず破産しますし、だからといって少ないと稼ぎに限界が来ます。全体として労働者を増やさないと家計にお金が貯まらないので全体的に貧乏なゲームプレイになったりするのも非常に面白いと思います。

手札となる職場カードについては完全な運となるため、手札運が必要な場面というのもあるのですが、カードドロー系の職場は多数用意されており、様々な戦略が用意されていると思うので、毎回違ったプレイが楽しめるようになっているなと思います。

バランスも非常に良いと感じます。ワーカープレイスメントのアクション先取りの読み合いに加え、経済の流れにどう介入していくのかというもう一つ視点が加わり非常にワクワクします。

ワーカープレイスメントという基本メカニクスそのままに、経済の要素を加え、カードによるランダマイザもスパイスとして効いています。どんどんゲームが加速していくのはクセになりますし、きちんと労働者を動かせた時の満足度はかなり高いと感じます。

特に凄いと感じたのが、ワーカープレイスメントでの「ワーカー」の存在について。基本的にワーカープレイスメントはワーカーが増えればそれだけゲームを有利に勧める事が出来るのですが、このゲームでは労働者に対しての給料の支出がどんどん上がっていくためほどほどのレベルで止めないと無駄な労働者が発生してしまいます。その境目を見極め、一人あたりの労働者の仕事量と成果量を最大限にする。それがかなり上手く表現できていると感じました。

シンプルなルールを越えず、小さくまとまりつつも何度でも遊ぶことのできるのも良い。文句なく面白い、良いゲームだと思います。

建築、拡大再生産が好きな方にはオススメのゲームに仕上がっているかなと思います。ワーカープレイスメント、カードゲーム、町作り、ゲームとしての経済の巡り。これらの単語にピンと来る方には是非遊んで欲しく思います。

15/12/7追記

色々な人と遊んでいて、広く皆が遊べる手軽ながらも苦しいワーカープレイスメントということで★5に直しました。六回ほど遊び、まだまだ遊び足りない、経験値を貯めたいと思えますし、初めて遊ぶ人にも経済が回るという感覚が新鮮なようで、一日に数度回っているのを目にしたりします。

人数によりプレイ感もあまり変わらず、何人で遊んでも良いというのも嬉しい所。

ゲームによって何人のワーカーが適正値なのかというのも変わり、場を読む力が必要でありつつ、カード運もありますのでどのようにカードを回していくのかという戦略性も大切。

自転車操業の苦しさもありながら、どこか快感のあるメカニクスの組み合わせ。カード効果の文章も非常にわかりやすく簡潔で疑問点が出ないのがやっぱり良いですね。

うん、良いゲームだと思います。ここまで繰り返し遊ぶゲームも久しぶりですし、ボードゲームが初めてといった方にも安心してオススメ出来る一本だと思います。良いゲームです。

※:日本語ルールが付属していない場合があります。必ず確認してください。

名前ナショナルエコノミー デザイナースパ帝
おすすめ度★★★★★ ルール難易度★★☆☆☆
運要素★★★☆☆ 知略・思考要素★★★☆☆
プレイ時間30~45分 年齢12歳~
プレイ人数1~4人

似ているボードゲームのレビュー

「ブルームサービス」: ★★★★☆

デザイン:アンドレアス・ペリカン & アレクサンダー・フィスター
どんなゲーム:カード、ボード、シンプルなルール、移動・運搬、ファンタジー、心理戦・ブラフ、依頼達成、メビウス頒布会
プレイヤー:2~5人・10歳~
2015年ドイツ年間ゲーム大賞:エキスパート大賞

「バトルライン」: ★★★★★

デザイン:ライナー・クニツィア
どんなゲーム:カード、シンプルなルール、数字比べ、交渉、セットコレクション、二人対戦
プレイヤー:2~2人・10歳~

「ポイズン」: ★★★★☆

デザイン:ライナー・クニツィア
どんなゲーム:カード、シンプルなルール、バースト、子供でも遊べる
プレイヤー:3~6人・10歳~

「トランスアメリカ」: ★★★★☆

デザイン:フランツ ベノ・デロンジェ
どんなゲーム:ボード、シンプルなルール、ネットワーク、建築、依頼達成、アクションポイント、ファミリーゲーム、子供でも遊べる
プレイヤー:2~6人・8歳~
2002年ドイツ年間ゲーム大賞:ゲーム部門推奨リスト入り

「ハゲタカのえじき」: ★★★★☆

デザイン:アレックス・ランドルフ
どんなゲーム:カード、シンプルなルール、同時アクション、バッティング、パーティーゲーム、ファミリーゲーム、子供でも遊べる、知育
プレイヤー:2~5人・8歳~
1988年ドイツ年間ゲーム大賞:ゲーム部門推奨リスト入り

他の2015年度ゲームマーケット出品ゲームレビュー

「猖獗少女病」: ★★★☆☆

デザイン:kuro & Manifest Destiny
どんなゲーム:カード、推理、セットコレクション、ゲーマーズゲーム、同人
プレイヤー:3~4人・12歳~
ゲームマーケット:2015年・出品

「曖昧フェイバリットシングス」: ★★★★☆

デザイン:ニルギリ
どんなゲーム:カード、シンプルなルール、コミュニケーション、推理、数字比べ、同人、パーティーゲーム、ファミリーゲーム
プレイヤー:3~5人・12歳~
ゲームマーケット:2015年・出品

「キャッツ・パーティ」: ★★★★☆

デザイン:イイダテツヤ
どんなゲーム:カード、シンプルなルール、同時アクション、ドラフト、バッティング、同人、ゲーマーズゲーム
プレイヤー:3~6人・7歳~
ゲームマーケット:2015年・出品

「ゾンビツイスト」: ★★★★★

デザイン:テイダ リョウ
どんなゲーム:カード、ゾンビ、アクション、同人、バカゲー、パーティーゲーム
プレイヤー:3~5人・7歳~
ゲームマーケット:2015年・出品

「オシリスの棺」: ★★★★☆

デザイン:小島芦尾
どんなゲーム:カード、直接攻撃、心理戦・ブラフ、バッティング、同人、ゲーマーズゲーム、豪華なコンポーネント
プレイヤー:3~5人・12歳~
ゲームマーケット:2015年・出品


人気記事一覧

最新記事一覧