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お世話になってるサイコロ堂さんの通販ボードゲーム

サイコロ堂vsコロコロ堂 2019年夏、イン・オキナワ~ファイル・サン 嵐を呼ぶごうき 沖縄の空は曇り空に泣くか~

   

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2019年7月某日、私は疲れ果てていた。 何に? 全てに。

ボードゲーム界のアンダーグラウンド、ここ、沖縄にて、少し前にサイコロ堂・コロコロ堂・エンゲームズ・テンデイズゲームズが集うというイベントを終え、その記事をどうまとめようかと思案しているところ、まんまと私は先を越された。

それも、BROADさんという、なんともおしゃれなサイトにである。

サイコロ堂vsコロコロ堂 沖縄対決までの長い長いみちのり | BROAD|ボードゲームマガジン

素晴らしい記事である。皆もこの記事を読もう。そして拡散しよう。そうして沖縄に思いを馳せてくれ。そこに私はいる。

言い訳はいくらでもできる。プログラムが忙しかった、事後処理がいろいろあった、急ぎのボードゲームルールの翻訳があった、bggをめぐるのに忙しかった……。

そうして、私は負けたのだ。

ともあれ、サンドキャッスルは楽しい。ぼくはずっとこの砂のお城を崩してるんだ。触るな!! これはぼくのお城だぞ!!! うふふ、あはは。

と、そんな時に私のスマフォが震えた。ボードゲームブログを運営する、ふうかシージャー(先輩)からである。そこには一言だけあった。

「書け」

あ、はい。

精一杯書かせていただきます。

私はキーボードに飛びついた。

……。

この記事を、ボードゲームブロガー大先輩のふうかシージャー(先輩)、散っていった沖縄の同士、そして今もなお戦っている戦友たち。キャットアンドチョコレートで100回死んだ黒猫。除外してきた銅貨と屋敷カードへ。なにより、この記事を読んでくれている皆に捧ぐ。

はじまり

令和になりたての某日。私はいつものように、サイコロ堂の片隅で椅子に座っていた。サイコロ堂の主である店長はといえば、しかめた面をしながら牛乳でふやけたシリアルを無表情でかきこんでいた。

「ヤフオクで手に入れた海外版のパンデミックにルールブックが無いからコピーしてくれ!!」

扉を開くなり、そう男が叫びながら入ってきた。

「……」

ここは沖縄、TPOという文字が死んで久しい。銃があれば大臣だ。どのような人間でも「客」になれる。そんな貪欲さがここにはある。

「そこの扉の奥だ」

淡々と店長が言った。

男は意気揚々と扉の奥に入っていく。

私は心の中で、新たな客の誕生を祝福した。

《オーディンか? テラフォーミングマーズか?》

扉の奥で声がしている。少しくぐもっているが、はっきりと私にも聞こえる。

《え? いや? ルールブックのコピーを》

《お前がスタートプレイヤーだ》

《え? な! おい!! やめ……》

「……今日はオーディン族のようだ」

鈍い音と、悲鳴、ときおり聞こえるダイスが転がる音を聞きながら、店長は最近大きくなってきたように感じる腹に、シリアルを流し込んだ。

「--そんなことより、沖縄にコロコロ堂が来るらしい」

扉の奥の音にはもう興味を示さず、店長は言葉を続けた。

「ついにか!」

私は過去の対決を思い出した。

魔都、トーキョーに住まうボードゲーマーたちを常に満足させ続けるボードゲームカフェ。コロコロ堂。チッとしたネックレスをつけたシャレオツ・ガールや、イケてる・メンズたちが集うようなオシャレ・オブ・オシャレなボードゲームカフェだ。

君はリスボアを知っているか? とてもシャレオツなボードゲームだ。コロコロ堂はそれだ。リスボアはコロコロ堂である。

サイコロ堂vsコロコロ堂、ゲームマーケット2018年秋対決 – Board game every day

サイコロ堂vsコロコロ堂2018年秋対決、後日談 – Board game every day

二階席もあり、気軽に立ち寄ってよし、待ち合わせて良しの素敵スポット。水すらもオシャレだ。

そんなコロコロ堂、いや、さん、いや、様に、名前が似ているというだけでひたすら戦いを挑んできた男、それがサイコロ堂店長、ごうきという男である。

今までは東京へと繰り出し、象に挑むアリの如く散ってきた。散々帰り際に「沖縄でなら、沖縄でなら」と呪詛のように繰り返してきたが、それがついに叶うというのか。

ホームでの対決。とても楽しみである。

彼らは、沖縄のもつフィールドデバフに耐性はないはずである。我々は春頃からコールドドリンクをせっせと用意していたので準備は万全。ハチミツもストックしてある。

「それだけじゃない」

「うん?」

見ると、彼の顔は浮かないものであった。

「テンデイズゲームズとエンゲームズも来る」

「……」

私は天を仰いだ。

テンデイズゲームズ。ボードゲーマーなら知らぬものはあまりいないであろう。ボードゲームの輸入はもちろん、テラミスティカ、オーディンの祝祭を始めとした日本語版の発売を広く行っているゲームショップである。

そしてまた、エンゲームズはといえば、突如として現れた巨星である。店舗に陳列されたテラミスティカのタワーの写真は記憶に新しい。かと思えば、誰もが出ないと思っていたアナクロニーの日本語版をリリースした。

コロコロ堂、テンデイズゲームズ、エンゲームズ……おしも押されぬビッグネームたち。

茶化すことなど許されぬ雰囲気、力、オーラを感じさせるネームバリュー。

かたや、ただのおっさんである私と、失敗したジョンレノンと評されるサイコロ堂店長、ごうき。

ボードゲーム界のオモコロと言われて久しい我ら。

「何故だ?」

「遊びにくるそうだ」

そうか、遊びにか。

忘れがちだが、沖縄はバケーション・スポットであった。

一般人が想像する沖縄には血しぶきなど一片のないのだろう。幸せなことだ。

「オーディンは良いぞ……オーディンは良いぞ……」

うわ言をつぶやきながら出てきた新たな「客」を迎えながら、私達は計画を練るのであった。

※ オーディン族となったこの客は100%、非現実性由来の遺伝子組換えではない妄想を主成分としており、このあと物語がおいしくいただきました。この文章は現実を100倍に希釈し、ダイスを振って自動生成したような怪文章をぶち込んだような文言が続きますが、著者が薬物を摂取したと届けられてはいないので、問題ありません。また、この文章を読んだことによって知識、知見、得るものなどは何一つありません。事実は1つのみで、おっさんたちが沖縄に集まり、遊んだということだけが証拠として私の手元にあります。沖縄ではオーディン族の他に、テラミ族、コリドール・キャプテン、東京サイドキッカー、ドミナーたちが生息しており、実質安全です。銃の免許があれば、さらに安全に楽しむことができますので、是非とも遊びに来てください。

そして彼らは来た

月日が流れるのは早い。

あっという間、そう、瞬く星のように、その日が来た。

私達はその日、彼らを迎えるまえに疲れ果てていた。電動ノコギリで大量のパレットを処理していたのだ。何故か? と聞かれれば「沖縄だから」と答えるほかない。沖縄の人々はクリスマスにチキンを食べる。そして月に一度は電ノコを振るう。たまに斧も振るう。夏、太陽、青空、電ノコ。

それが沖縄。

シーズン・イン・ザ・サン。

そして彼らは来た。

おお、これが生・タナカマ、そして勝手にライバル視していたエンゲームズのスギキ・サンか。

私達は静かに感動しつつも、それを隠し、暖かく迎えた。

そしてもちろん、コロコロ堂の面々も。

さっそく沖縄の黒い祝福、ルートビアをお見舞いし、各々が思いの丈を語った。やはり、沖縄の空気、そしてルートビアはよく効く。

ボードゲームのこと、経営のこと、デベロップ、輸入ゲーム、それぞれのスタンス、思い。

様々なことが語られた。

大変に刺激を受けたが、ここで書くことはとくにない。この文章の本題はあくまでサイコロ堂とコロコロ堂の対決であり、彼らは沖縄にただ遊びにきただけなのだから。

それぞれのエピソードについては、それぞれの時が満ちた時、しかるべき場で語られることもあるかもしれない。

座して待とう。

ビーチフラッグとコロコロ堂の策略

若干飽きてきたのでさくさくいこうと思う。思い出したが、私は他にもやることが色々あるのであった。このような駄文を書き散らしている場合ではない。すまない、海の向こうのふうかシージャー(先輩)。ここに謝罪しておこうと思う。

沖縄といえば海、海といえばビーチフラッグ。

カルカソンヌの初手、草原で寝るくらいには出てくる選択肢の1つである。

そうして我々は少年になった。

海・チャプチャプ・オーイエー。縦横無尽に泳ぎ回る我々はマーメイ。初手パスで船レベルボーナスタイルを取るのもやぶさかではない。

波に飲まれるのを恐れてこわごわとビーチチェアで近づいていく丘サーファーとは違う。

違いを見せつけていく俺たち。

見ろ、この笑顔を。

だが、海に浮かぶステージで相撲をするのは迷惑だからやめておこう、そういう判断ができるほどには、わきまえているのが私達なのである。

我々はマーメイドでありつつ、紳士でもあるのだ。

泳ぎ、テンションもどうにか上げたところで面々がスタートラインについた。

ウミガメの産卵かな?

こほん。

泳ぎ、テンションもどうにか上げたところで面々がスタートラインについた。

そして始まるデッドヒート。スタートをスギキさんにお願いし、ゴールにミスタータナカマ。なんという豪華さ。私はその豪華さにあてられ、ビーチの片隅でただただ震えながら体中から体液という体液を垂れ流していた。

しかし、さすがコロコロ堂、2:1という圧倒的有利さを持ちながらも、カタンの交渉で木を交換した後「独占」で「木」と宣言するような巧妙ささでもって勝ちを狙ってきた。

それがこのシーンである。

ああ!! なんということだ。自身のランナウェイを確保すると同時に我らがサイコロ堂の失敗したジョンレノン、ミスターごうきを邪魔する。

これが東京で生き残るということ!!

結果は言うまでもないだろう。

「いい走りだった」「ナイスラン」

ああ、コロコロ堂が皆に労われている。

沖縄という敵地にやってきて、多数の目がありながらっも、勝ちへの執念は微塵も揺るがない。

これが勝つということ!!!!

私は震えながら涙した。

皆!! コロコロ堂は卑怯な手を使ったんだ!!

私は叫び出したいのを必死に我慢し、ちょうど溜まっていたソシャゲのAPを消費していた。今回のイベントも大変おもしろい。お礼のガチャもも引こうと思う。

そして

普段、太陽の光など浴びぬ我々がはしゃいだ海ももはや遠く。我々はサイコロ堂へと戻ってきた。

道中さまざまなことをした。大量のタコライスもお見舞いした。うまし。沖縄の食といえばステーキ、そしてタコライス。

最後はせめて。和気あいあいとした雰囲気で終わろうということで我々の意見は合致した。

「ハッピーサーモンをしよう」

誰がいっただろう、種目が決まった。

なんということだ。ここに地獄が誕生した。

「ハッピーサーモン」は沖縄である。

誰も彼もがパリピになる。手と手を合わせ、奇妙奇天烈な発言を繰り返し、くるくる周り、のたうつ。

それはまさに、足元に感じるマグマへの感謝の祈り。

結局の所、我々が1つの生命体でしかないことを突きつけられる。

それが「ハッピーサーモン」だ。

どうだ、これが沖縄でマイムマイムするおっさんたちである。

私はただただスマフォを握りしめて動画をとった。

じつに感動的であった。

……。

そしてミスター・タナカマが勝った。

これが1つのストリームを支え続けた男の強さ!!

私は体がエモーションした。

だが、それに納得しない男たちがいた。

膝をつくコロコロ堂の2人……。

これが勝ちにこだわるということなのか。サイコロ堂にはない図太さ、執念。魔都、トーキョーに住まう者たち……。

私はこの光景を忘れない。

その結末は、各々でサイコロ堂店長の一連のツイートを見てほしい。

そこに、確かに我々がいたことを知ってほしい。

ボードゲーム界にいるかぎり、我々は争いながらも、同士であり、仲間なのだ。

そうして彼らは帰っていった。

彼らは振り返らなかった。

我々も振り返らなかった。

コロコロ堂とサイコロ堂、名前が似ているというだけで争い始めた両者ながら、そこにあるのは確かな縁である。

時に悔しがり、時にオシャレに殺されながらも、サイコロ堂は次の対決へと闘志をもやすのだろう。

私は、それを眺める日がくることを確信している。

静かになった沖縄の空を見て、遠くから聞こえてくるコリドール・キャプテンのアッセンブルを聞きながら、そう思ったのである。

~スペシャルテンクス~
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