スチームパンク×タイムマシンなワーカープレイスメントボードゲーム「スチームタイム」レビューと感想

ボードゲーム「スチームタイム」は蒸気機関で動くタイムマシンを使って過去の様々な依頼を達成して勝利点を稼ぐワーカープレイスメントゲームです。

ルール概要

プレイヤーはそれぞれ一定数のワーカーを使い、ボードに記述されたアクションに駒を置いてアクションをしていきます。アクションには自分のマシンを強力にしたり、依頼を達成するためのアクション等が用意されており、それらを使ってゲームを有利に使っていきます。

本作では自身のアクションによっても選択肢が絞られていくちょっと変わったルールを採用しており、ボードに5つのアクションリストが行ごとに設定されていて、下から上へと自身の駒を置いていく形となります。5行目に駒を置いたら次の自分のターンでは4行以上にしか置けないという具合で、上の方にやりたいアクションがあってもすぐにそこに行くとその後が辛くなると言う独特のジレンマを生み出しています。

それぞれのアクションには、自身のタイムマシンの能力に合わせてクリスタルが貰えたり、勝利点が貰えたりと言ったサブ効果が設定されており、それもまたゲームを楽しくしています。

感想

スチームパンクな世界観と、タイムマシンというトンデモ設定がまず興味を引く作品ですね。駒もそれぞれが飛行船の形をしていてかわいいですし、ルールも素直なワーカープレイスメントで混乱する事なくすぐに遊べる程度のルールとなっているかと思います。アグリコラやツォルキンなどのように一定ラウンドで行われるリソースの支払いもなければ、ワーカーが増えるといった事もないので、行動計画はわりと素直にできるようになっています。

遊びながら、自身のタイムマシンが改良されていく、という要素が中々面白く、依頼達成で必要なリソースもこの改良に使うクリスタルで補っているのがなるほど、悩ましく出来ています。真面目に考えると、自身のタイムマシンに必要なクリスタルを適時取って外して繰り返すのはどうなの？　とか思ってしまいますが。そのどこか大雑把な部分もスチームパンクっぽいっちゃっぽいのかもしれません。

依頼達成はそれぞれ様々な効果を得られる他、ゲーム終了時の追加得点カードなども用意されていますので、自身の状況に合わせて計画的に行動していくのが大切なゲームとなっています。

ワーカープレイスメントといえば、他のプレイヤーとのアクション先取りの攻め合いをまず思い浮かべますが、本作ではアクションが豊富にあり、そういった意味では他人との読み合い色は弱くなっています。ただし、自身の駒を配置した位置で次回以降の配置に制限がつくという少し変わったルールが採用されていますので、また別のジレンマが発生してくるのが面白いゲームになっています。

プレイ時間も公称90分でほぼその通りに終わりますし、さくさく出来る方かと思います。四人でも場合によっては１時間くらいでプレイ出来ちゃいそうな程軽いです。依頼達成や勝利点を稼ぐという事に自身のマシンのスペックを下げなければならないという少し変わった考え方をしますので、少し年齢は高めに設定されていますが、テーマに興味があるなら10歳くらいから遊べちゃえる程度にルールは軽いかなと思います。

スチームパンクの世界観は勿論、ワーカープレイスメント好き、軽めな戦略ゲームを探している方にはオススメの作品なのではないかなと思います。