逆ワーカープレイスメント? 独特なルールてんこもりの苦しさと拡大生産とエリアマジョリティ! 「ニッポン:明治維新」レビューと感想
2016/06/21
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※:日本語ルールが付属していない場合があります。必ず確認してください。
名前 | ニッポン:明治維新 (Nippon) |
デザイナー | ヌーノ・ビザロ・センティエイロ
ポロー・ソルデード |
---|---|---|---|
おすすめ度 | ★★★★☆ | ルール難易度 | ★★★☆☆ |
運要素 | ★★★☆☆ | 知略・思考要素 | ★★★☆☆ |
プレイ時間 | 60分 | 年齢 | 12歳~ |
プレイ人数 | 2~4人 | BGGスコア | 7/10 (1301票) |
BGG重量 | 3.8/5 |
「ニッポン:明治維新」ってどういうゲーム?
「ニッポン:明治維新」の紹介
ボードゲーム「ニッポン:明治維新」は、それぞれのプレイヤーが財閥として外国から流入する様々な文化を取り入れて財産を手に入れ日本が活性化していく様を描く、苦しさの中にも拡大生産の楽しさとエリアマジョリティの絡みが楽しいものになっています。
ゲーム概要
個人ボードにて自身のインカムなどを管理しつつ、序盤はこれを改良していく事になります。最初は皆知識も収入もないなか、アクションを行っていくことによってそれらを上昇させていきます。
共通ボードには日本地図があり、それぞれの都市に物品を納品していく事で各地の影響力を獲得していきます。ゲーム的な点数については基本的にこの部分のエリアマジョリティで獲得していきます。点数計算のタイミングは三回あり、それを常に睨みながら行動をしていく必要があります。
また、共通ボードにはアクション欄があり、ここには様々な色のミープルが最初から配置されています。工場を建設したり、線路を敷設したり、商品を納品したりとそれぞれのアクションを行う際に、ここからミープルを獲得して自分の個人ボードへと配置します。こうする事によってアクションを今までに何回行ったか、何色のミープルを獲得したかがわかるようになります。
というわけで、ルールとしては重量級ゲームをある程度やっている方ならそこまで難しい事は無く、すぐに理解できる程度のルール量となっています。
ただし、このゲーム、「統合整理」という手番行動があり、これがなんとも悩ましくなっています。というのも、基本的にこのゲームにはアクションとしての収入がありません。つまりどのアクションを行ってもひたすらにリソースが出ていくだけで入ってこない。収入を得るには手番でなにもアクションを行わず「統合整理」を宣言する必要があります。これをする事により現在の収入能力分のリソースが入手できます・・・が、先に説明したように、今までアクションを行い獲得したミープルの「色数×3000円」のリソースを払う必要があります。初期段階だと収入は12000円なので、ミープルが個人ボードにニ色乗っていればその時点で半分の6000円失ってしまいます。三色なら9000円・・・。
このようにどのアクションを行っていくのか、どの色を集めていくのかが非常に重要になり、これによってアクションが制限されます。まさに逆ワーカープレイスメントでもいうべきメカニクスです。どのアクションも自由にできるけれど、そうすると後々の統合整理で痛い目を見る。この苦しさがくせになってくるわけです。
統合整理はそれぞれのプレイヤーがそれぞれのタイミングで行っていくので明確に「ラウンド」の概念はありません。ここもまた独特ですね。ちなみに個人ボードのミープル置き場には最大六つまでミープルが置けるので、最大六手はアクションをし続けられます。統合整理を先延ばしにするとボーナス的なチップがもらえ、これもまた強力なのですが、その分収入タイミングが後になっていきます。
また、エリアマジョリティ以外にも様々な点数獲得方法があり、どの方向に自分のプレイを伸ばしていくのかというのも悩み所となっています。
ゲーム感想
独特なルールがてんこ盛りながら、ある程度色々なボードゲームを遊んでいるとさくっと遊ぶ事ができ、以外と直感的に出来ている事がわかるゲームとなっています。テラミスティカ、グラスロード、ロシアンレールロードなどといった個人ボードにてリソース能力を管理するタイプの拡大再生産系ボードゲームの基本にのっとりつつ、メインであるエリアマジョリティはシンプルで分かりやすく。小難しい計算があまり必要はないながらも、二手先、三手先を常に計算しないといけない悩ましいゲームに練り上げられています。
アクションはやり放題なのですが、どの色を取るのか。他人にどの色を押しつけるのか。そんな独特な遊び味の先取りアクションがキラリと光ります。シニョーリエもそうですが、ここのゲームは他人のリソースを睨むタイプのゲームが抜群に面白いと思います。
常に他人の行動に目を光らせつつも、管理するリソースが少なめですので負担が軽いです。同時に行動は二手、三手ほどがセットになっていますので「先を読む」という普通なら難しい事もまた容易になっています。だからこそ重ゲーでありながらも遊び味が割と軽めというのがクセになってくるわけですね。
ラウンドという概念が薄く、ミープルの消費によってゲームが進行していきますので、独自のプレイ感覚を養う必要があり、それもまたこのゲームだけが持つ特殊さを際立たせます。
エリアマジョリティのゲームとは言いましたが、最近のゲームらしく他の方法でもある程度点が取れるようになっており、様々な戦略が練られるようになっています。
ミープルの色がランダムであり、それによって収支が変わってきますので意外と運の要素が強いですが、逆に言うとそこくらいにしか運要素はありませんので戦略が非常に重要になっています。
特殊カードによるコンボといった要素もなく、ルールは全体的でありながら独特なルールをいくつも備えていながら破綻せず機能していて快適に楽しめますよ。
重量級ゲームが好きな方は一度はプレイしてみるのを強くおすすめします! 意外とプレイ時間も短めで人数によっては繰り返し遊べちゃえる所もぐっときますね。他人のリソースを読む、数手番の行動を計画しながら動く、リソース管理。そういった要素に楽しみを見いだせるならマストバイかなと感じます。オススメです。
※:日本語ルールが付属していない場合があります。必ず確認してください。
名前 | ニッポン:明治維新 (Nippon) |
デザイナー | ヌーノ・ビザロ・センティエイロ
ポロー・ソルデード |
---|---|---|---|
おすすめ度 | ★★★★☆ | ルール難易度 | ★★★☆☆ |
運要素 | ★★★☆☆ | 知略・思考要素 | ★★★☆☆ |
プレイ時間 | 60分 | 年齢 | 12歳~ |
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