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貴様! 我がタートル・クランを謀ったな!? 自由交渉と大胆な戦略が楽しいボードゲーム「ライジングサン」レビューと感想

   

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※:日本語ルールが付属していない場合があります。必ず確認してください。

名前ライジングサン
(Rising Sun)
デザイナー
おすすめ度★★★☆☆ ルール難易度★★★☆☆
運要素★★☆☆☆ 知略・思考要素★★★☆☆
プレイ時間90~120分 年齢14歳~
プレイ人数3~5人 BGGスコア8.1/10 (8233票)
BGG重量3.2/5

「ライジングサン」ってどういうゲーム?

「ライジングサン」の紹介

ボードゲーム「ライジングサン」は、アマテラス・カミやブラッド・オニ・モンスターといった伝承の存在が闊歩するインペリアル、ニポンを舞台とした、様々なクランが新たなるテンノーとなるために凌ぎを削る、交渉と戦略のゲームです。

ルール概要

プレイヤーたちはニポンの新たなるテンノーとなるため、カミたちに認めてもらえるように凌ぎを削るクランの長となります。クランにはそれぞれ特殊な能力があり、その能力をだれだけ活かせるかが重要になります。

ゲームは大きく3つのラウンドに分かれていて、春、夏、秋と争い、冬になると大地が雪へと覆われ、カミたちの力も静まり、この時点で最も勝利点を持つプレイヤーが勝利となります。

各ラウンドでは、プレイヤーたちはニポンを舞台としたマップ各地にフィギュアを配置し、カミたちのジャンジャに礼拝のためのシンドー・ウォーリアーを送り出し、ハーヴェストにより報酬を受け取るためにアクションを実行していきます。

実際にラウンドが始まる前に、プレイヤーたちはチャドー・フェイズにより顔を合わせ、このラウンドの同盟を決定します。チャドーはとても大切で、プレイヤーたちは自由に議論をして、今回同盟となるべきペアを探り合います。場合によってはゼニが飛び、口約束がかわされ、誰を蹴落とすのかといった陰謀めいた脅しを行います。

同盟はペアで、かつ互いに同意がなければならず、場合によっては単独でこのラウンドを生き抜かないといけないプレイヤーもいるでしょう。同盟はとても強力です。単純な協力関係だけではなく、アクションも強力になります。あまり目立つ動きをすると周りから標的にされ、実際ハリのムシロ、有利な状況になるためには身ゼニを払う必要もまたあるのです。

交渉が終わり、同盟が決まれば実際にアクションを実行する政フェイズが始まります。

手番では、アクションタイルから1枚を選択して、マップ上のターントラックに配置されます。これにより今まで実行したアクションと、今回実行するアクションが決定されます。

決定されたアクションは全員が実行します。基本的には手番プレイヤーが最後に、次手番プレイヤーから時計回りで実行していきます。これにより、手番プレイヤーは皆の動きを見てから自分の行動を決定できるのです。

「リクルート」では、自身のフィギュアをマップに配置します。他プレイヤーから妨害されない強力なダイミョー・ウォーリアーや、カミへ礼拝するためのシンドー・ウォーリアー、特殊能力を持つ巨大なモンスターたちをここでサモンするのです。ストロングホールドごとに、その地区へとフィギュアをサモンします。手番プレイヤーとその同盟プレイヤーは、さらに追加で1体フィギュアをサモンできます。

「マーシャル」では、マップ上のフィギュアたちを移動させます。フィギュアごとに1移動、隣接地域に移動できます。ホッカイドやキューシュといった少し離れた土地は、海路でもって他の陸地とつながっています。手番プレイヤーとその同盟プレイヤーは、ストロングホールドを建築することができます。

「トレーニング」では、クランを強化するアップグレードカードを購入することができます。勝利点の方法を増やしたり、ブラッド・オニやコマイヌといったモンスターたちを自軍に引き入れることができるのです。このアクションは手番プレイヤーから先に実行します。手番プレイヤーとその同盟は、1ゼニコストが安くなります。

「ハーヴェスト」では、まず全員が1ゼニをもらえます。手番プレイヤーとその同盟プレイヤーだけは、マップ上で占領している地域から報酬をもらえます。このアクションはとても強力で、これをいつやるのか、誰がするのかが鍵となります。

「謀り」では、手番プレイヤーだけが行動します。避難されるべき不名誉な行動であり、同盟は破棄され、誉を失います。マップ上から任意のプレイヤーのフィギュア2体を自分のものと置き換え、ニポンのパワーバランスを変えることができます。

これらのアクションを実行したら、手番が終了し、次のプレイヤーへと移ります。どのアクションを実行するのか。場合によってはゼニを支払い、他プレイヤーへアクションの実行をお願いする必要も出てきます。それを受け入れてもらえるかは、その人次第です。払ったゼニが帰ってこず、約束も無視されることもまたありえるのです。

また、何ターンかに一度、カミたちが恩恵を振りまくカミターンが実行されます。アマテラス・カミやフウジン・カミという超常的なナンカ・スゴイ存在が様々な報酬を最もジンジャに礼拝したプレイヤーたちに与えられます。

これを繰り返していき、ラウンドの最後に戦争が実行されて、ラウンドは終了します。

戦争では、戦争が実行される地域ごとに処理が行われます。戦争はラウンド開始時に場所が決定されていて、そこを目標にプレイヤーたちはフィギュアをサモンしたり移動させたりしていきます。

戦争処理は、参加するプレイヤーたちがブラインド裏で様々な戦争アクションにゼニを入札し、アクション権を競うところから始まります。それぞれに効果があり、例えば「セップク」だと清く、敗北よりも誉ある自殺によって勝利点を獲得できます。ローニンを雇えばマップ外から応援を呼ぶことができ、人質を取れば敵の戦力を削ぐことができます。これらは入札で他プレイヤーよりもゼニを多く入札できたプレイヤーだけが実行できます。

例えば相手がローニンをたくさん持っていて、このままでは負ける場合に、ローニンを所持していなくても「ローニンを雇う」にたくさんゼニを入札しておいて、あいてに戦力を強化させないといった戦略が可能になるのです。

また、戦争が解決されたあと、そこで死んだ尊い魂たちを沈めるために句を読み勝利点を獲得する「インペリアル・ポエット」もまた入札できます。

これを戦争地域ごとに行っていき、各地の戦争を解決します。

そして季節はめぐり、またチャドーが開かれ、モンスターやウォーリアーたちがニポンを奪い合い、秋・シーズンが終われば冬になり、ゲームが終了します。

最も勝利点を得たプレイヤーのクランが新たなるテンノーとなり、次のニポンを収めていくことになります。

ゲーム感想

このゲーム、フィギュアでぼーん、どかーん、カード効果ばりばりー、と思ったら、実際そうではなく、陰謀を巡らせ、口八丁で相手を丸め込み、ゼニを投げつけ、ローニンで脅し、ユーレイ・モンスターを動かし、コマイヌ・カワイイするゲームでした(語彙力)。

ごりっごりの自由交渉・拘束力無しといったタイプで、成長要素ありのディプロマシーやイントリーゲといった感じです。

チャドーフェイズによってプレイヤーたちは同盟を結成して、その恩恵をうけつつも、同盟相手も本質的には敵。いつか裏切るかも、いや、いつ裏切ってやろうか、げへへ。みたいなゲームになっています。

それに加えてカードによって陣営はどんどん強化され、カミたちの恩恵やハーヴェストによる収入など、クランには差ができていきます。戦略ゲームとしては、かなりシンプル。フィギュアたちの戦闘力は基本1ですし、そこまでルールが難しいわけでもない。

あくまで交渉を加速させるためのスパイスといった塩梅。だがまあそれが悩ましい! 全員がアクションをできちゃうので、このタイミングでリクルートしちゃうと相手も強化しちゃう。マーシャルを実行すると俺の地域がやばい。今ハーヴェストやってくれ! このゼニあげるからー!! なんて悲鳴が響き渡ります。

裏切りにあたる「謀り」も非常に強力で、マップ上でいきなり戦力バランスが大きく変わる。戦争中も人質アクションによってフィギュアが奪われる。いかに自分のリソースを削らず他の奴らを潰しあわさせ、リソースを削っていくのか。政治ですよ、これは、政治。

逆に言えば、そういった要素で不快感を感じる人だったり、口下手であってもそういったゲームを楽しみづらい、といった人には正直このゲームは大変危険かなと思います。私も遊ぶためにメンツを相当考えました。少なくとも所見さん同士で遊ぶゲームではないかな、って感じ。

口喧嘩しても次の瞬間笑い合えたりとか、普段から冗談言い合ってて「お主も悪よのう」「謀りおったな!?」なんてちょっとロールプレイ入れながら遊ぶのがおすすめ。

ゲームとしてはゲーマーズゲームで、非常に戦略的だし悩ましいゲームなのですが、あんまりガチでやるよりも、「タートル・クラン=サン、リクルートをしてもらえれば、我が最強のスパイト・オニめが奴らを血祭りに上げるでござる」「うむ、しからばゼニ3つをよこせい」なんて言いながらやるといいと思います。いや、ほんとに。そういうマインド必要。

また、このゲーム非常にルール衝突が発生します。カード効果テキストが端的で、どういう処理をするのかがすぐに判断できないものが多い。実際bggフォーラムでは400件近い質問が寄せられていて、私は読むのを諦めました。日本語版でどこまで修正されているのかはわかりませんが、その覚悟はしていたほうがいいかも。

例えば、「ユーレイ・モンスターはダイミョー・ウォーリアーとして扱う」とあるのですが、「ダイミョーの戦力を3増やす」という効果が適応されるのか? また、ダイミョーは人質にならない、という制約があるがモンスターは人質になるのです。じゃあユーレイ・モンスターはどうなのか。

おそらく読み手によって結構判断は変わってくることと思います。それでも、人を選びますが、相当楽しいゲームです。遊んでて楽しくなりそうだ、と思えるメンツが頭に浮かぶ人はぜひとも遊んでみるといいのではないでしょうか。

和訳ルールやサマリー

超訳ルール

※:日本語ルールが付属していない場合があります。必ず確認してください。

名前ライジングサン
(Rising Sun)
デザイナー
おすすめ度★★★☆☆ ルール難易度★★★☆☆
運要素★★☆☆☆ 知略・思考要素★★★☆☆
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