シンプルな数字による傑作協力カードゲーム「ザ・ゲーム」レビューと感想

カードゲーム「ザ・ゲーム」は、2~99までの数字を並べていくだけのシンプルなルールながら白熱したゲームプレイを備えた侮れない協力ゲームとなっています。

ルールは簡単で、四つやる場にカードを出していくだけ。二つは1から100へ向けて、もう二つは100から1へ向けて順番に置いていかなくてはなりません。手番では二枚のカードをプレイする必要があり、それが悩み所となっております。

場札がまだまだ余裕があっても、手札によってはどうしても出さないといけない！！　という苦しさが常につきまといます。

さらにこのゲーム、基本的に相談が禁止されており、具体的な数字を教えることができません。これによって他のプレイヤー達との連携が意図的に崩されていて難易度がほどよく歯ごたえのある物になっています。

カードの数字はピッタリ10違いの物を出せば回復する事が出来、これがまたほどよいスパイスになっているんですよね。カード運というのもありますが、それぞれの思惑がゲームを凄く面白い物にしています。

シンプルながらも白熱し、さくさくっと遊べてクリア出来るか出来ないかというギリギリな線をくぐり抜けるような達成感を味わえるゲームとなっています。このほど良い難易度、お互いにちょっとしたコミニケーションでやりとりされる連携が心地良いですね。

協力ゲームにつきまとう「コマンダー問題」も、このゲームでは解消されています。分かりやすいルールでパーティーゲームとしてもファミリーゲームとしても遊ぶ事が出来るクオリティの高さ。ドイツ年間ボードゲームノミネートも納得の完成度だと思います。

短い時間で遊べる、協力ゲームを探している、簡単でも白熱するゲームをさがしているという方にピッタリではないでしょうか。

持っていて損は無いゲームの一つだと思います。このシンプルさから何度も何度も繰り返して遊ぶというゲームでもないでしょうが、ぱっと集まったときの最初の入りとして、面子が集まるまでの時間つぶしとして優秀なゲームです。

デザインも雰囲気抜群でカードの質も中々。髑髏のイラストがこのゲーム独特の苦しさを良く表していると思います。

シンプルながらも盛り上がれるゲームはどれもそうですが、どうしてこれだけの選択肢・ルールだけでここまで楽しめるのかという驚きを与えてくれます。遊んでおいて損は無いゲームですので、遊ぶ機会がありましたら一度は触れてみてほしい一作です。