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自分が誰かを知る量子系ハンドマネジメントカードゲーム「猖獗少女病」レビューと感想

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猖獗少女病
おすすめ度:★★★☆☆
ルール難易度:★★☆☆☆
運要素:★★★☆☆
思考要素:★★★☆☆
プレイ時間:30
年齢:12歳~
プレイ人数:3~4人

カードゲーム「猖獗少女病」は特殊な能力が発現する世界、誰かの能力によって記憶が消失した少女たちが自分が誰なのか、目的が何なのかを模索する様がテーマの量子系ハンドマネジメントカードゲームとなっています。

ゲーム概要

ゲームは5ラウンドからなり、その結果により自分が担当するスート、キャラクターが確定し、それぞれのキャラクターの点数獲得条件によって点数を得て一番高い点数を獲得したプレイヤーが勝利となります。

ラウンドの流れはプレイヤー人数に合わせたカード枚数を円形に表向きに共通場札として配置、これをセットアップフェイズと呼びます。

次にそれぞれのプレイヤーが持つ楔カードをいずれかの共通場札に配置し、楔カードがまだ置かれていない共通場札を二枚入れ替えます。そして手札から「まだ自分がプレイしていないキャラクターのカード一種類を好きな枚数」プレイして能力を発動して処理します。能力の発動は何枚プレイしても一度しか発動しません。これをカウンセリングフェイズと呼びます。

最後に、それぞれが配置した楔カードから右回りか左回りかを親が指定して共通場札を手札として補充します。

これを五ラウンド繰り返し、それぞれのキャラクターについて、一番多くプレイしたプレイヤーがそのキャラクターを担当して、それぞれの点数化ルールに沿って点数計算をしてゲームの勝者が確定します。

ゲーム感想

非常に難しいゲームです。そもそもすべてのキャラクターと能力と点数化ルールを把握したうえで、どう立ち回りのかを考えていかないといけませんので、ゲームとして三回くらいは遊んばないとその楽しさを味わえないかと思います。

ただ、それさえクリア出来てしまえばなんとも味わい深いゲームでもあると思います。そもそも自分がどのキャラクターかわからない中、他人に影響を与えつつ、自身の「であろう」点数ルールを目指してハンドマネジメントを繰り返していく。この推理ゲームともブラフゲームとも言える要素がたまらなく面白い。

道中どこか淡々としながらもお互いの手札を伺い、どこで自身を確定させるのか。それまでどう場をコントロールしていくのか。

デザイナーが「ドグラマグラを参考にした」とある通り、非常に実験的な作品であることは間違いなく、ルールも独特でとっつきづらいのは確か。

けれどもこのゲームが持つテーマ性、プレイの流れから漂う物語性は格別なものがあります。なによりゲームにフレーバー感、テーマ性を求めるプレイヤーなら本作はたまらない作品になるかと思います。ゲームの勝ち負けとはまた別の、プレイの流れが生み出すなにか。それもまた本作が持つ特異性なのではないかなと思います。

個人的にはこういったゲームはすごく好きなんですが、誰にでもオススメできる作品でないのは確か。ニッチな世界観と挑戦的、実験的なルールのゲームに興味がある方はぜひともトライしてみるといいのではないでしょうか。

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