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盤面上に想いが錯綜する二人対戦風協力カードゲーム「沙羅双樹」レビューと感想

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沙羅双樹
おすすめ度:★★★☆☆
ルール難易度:★★★☆☆
運要素:★★☆☆☆
思考要素:★★★☆☆
プレイ時間:20~30
年齢:12歳~
プレイ人数:2~2人

カードゲーム「沙羅双樹」は魔王陣営と勇者陣営に別れ、お互いの軍を指揮し戦争を続けながらも最後には和解を目指すという、二人対戦風協力型カードゲームとなっています。

ルール概要

魔王軍と勇者軍それぞれ同じ内容のカードセットを受け取りゲームを始めます。

基本的にゲームは陣地の取り合いとなっており、攻撃側がカードを出して防御側の陣地を指定。防御側はそれに対して攻撃側とは異なる数字のカードを何枚でも出すことができます。

お互いの数字を比べて判定をして、引き分け、攻守逆転、攻撃側が勝利し陣地の移動を繰り返していき、ラウンドの最後に得点計算をします。

ゲーム中、手札から眷属を出すことにより様々な特殊効果が発動したり、ラウンドの終了状況によって点数計算が変わったりしますので、それらを考慮しながらゲームを進めていく必要があります。

最終的に、お互いの点数を比較し、点数の高かった陣営が戦争に勝利します。が、お互いが30点以上、2勝利点差までで収まっていると、2つの陣営は手を取り合い、新たな未来を模索するというトゥルーエンドが用意されているのが本作の大きな特徴です。

ゲーム感想

かなり実験的で挑戦的な作品だと思います。「魔王と勇者は和平を望むが、もう状況は取り返しの付かないことになっている」という作品がもつフレーバー、テーマをプレイヤーとリンクさせようとするようルールが整備されており、実際そういう状況が盤面に展開されていきます。

「お互いに消耗する兵力、拮抗する状況」という情景と、「場を読みカウンティングをし、手札を予想する」プレイヤーの思考が重なる本作のゲームフローにはたまらない人にはたまらないと言えるでしょう。

一方で、カードを出す時の条件、場合によって変化する流れ、フェイズごとの選択肢など。コンパクトなゲームでありながら頭にとどめていないといけないルールいくつもあって少々混乱します。

また、ゲームとしても非常にカツカツで、かなり戦略的に振る舞う必要があります。少し淡々としがちな印象も。協力ゲームとありながら、あまり偶発的なイベントが起こらないから、というのもあるかもしれません。

ゲームとして強く訴えかけてくるものがあるだけに、そういう所がどうしても気になってしまいます。

とはいえ、どこか童話的でかわいらしいイラスト、重みのあるフレーバーとそれを表現するルール群、挑戦的な設計は遊ぶ価値ありだと私は思いますよ。強く印象に残るゲームであるのには間違いないでしょう。

画像やフレーバーを読んでみてビビっと来た人にはまさにドストライクなゲームかと思いますよ!

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