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紙も鉛筆も要らない! 全部入りの即開始、ボドゲライクに楽しめるようになったTRPG「ソード・ワールド2.0 RPGスタートセット」レビューと感想

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ソード・ワールド2.0 RPGスタートセット
おすすめ度:★★★★☆
ルール難易度:★★★☆☆
運要素:★★★☆☆
思考要素:★★☆☆☆
プレイ時間:60~120
年齢:13歳~
プレイ人数:1~6人

「ソード・ワールド2.0 RPGスタートセット」はTRPGの定番作品でもある「ソードワールド2.0」をボードゲームのように箱を開けて中身を取り出すだけで即遊べるように調整された初心者入門用セットとなります。

ゲーム概要

舞台は定番なファンタジー世界。プレイヤーはそれぞれの冒険者となり剣と魔法で敵を討ちながら冒険を続けています。

本作はTRPGの定番「ソードワールド2.0」をボードゲームのように箱を開け、中身のコンポーネントを組み合わせるだけで遊べるように調整された作品となります。

TRPGとは紙とペンとサイコロを使って楽しむ遊びで、ゲームマスターという物語を紡ぐ役とその中で行動するプレイヤーに分かれて楽しみます。宝箱が目の前にあったらいきなり開けるのか、魔法を使って調べるのか、はたまた開けずに持ち帰るのか、爆弾を投げ込んでみるのか、それとも誰にも思いつかない方法を施すのか。そういった事を機転と想像力とコミュニケーションで選択・行動していきます。

おおよそ出来ると思った行動をなんでも出来る。物語を最大限に楽しくすることが出来る。それがTRPGの魅力でもあります。

「ソードワールド2.0」は本来キャラクターを一から作るという過程を無くし、最初から完成されているキャラクターのいずれかを選び、ゲームマスターが話すシナリオもマップや仕掛け込みで全て用意されていますので、すぐに本編が遊べるようになっています。内容も二時間程度で終わるという事でちょっとした中量級ボードゲームというような塩梅です。

初心者入門向けというだけあり、スッキリとしていて遊びやすく、あまり迷うことが内容にルールブックなども整理されいてるのも大きな魅力となっています。

ゲーム感想

本作はこと「TRPG」という遊びについて「ほどよい」商品だなというのが遊んで見ての最初の感想となります。

そもそもTRPGという遊び、特に「ソードワールド」というのは長いシリーズでもありますし買ってぱっと遊ぶにはどうしてもルールが多くなります。なんといっても基本的な世界観から膨大なアイテム、泳ぐ・魔法の行使に必要な計算式、戦闘、果てはキャラクター作成。それらがぎゅぎゅっと詰まっていますからね。

お喋りをしながらあらゆる事を表現できるようにするために、様々な事にルールが決められているのもTRPGの特徴ですので、例えば戦闘であれば弓を持っていれば精密射撃を持っていないと前で戦ってる味方に当たるかもしれないし、魔法を使っても相手の精神抵抗が高ければ弾かれるかもしれない。ファンタジーな世界観を表現するために、その時その時で様々なルールが適用されます。

そんなわけでキャラクター作成をするだけでも結構大変だったりします。種族は? 言葉は? どういうスキルを取得する? アイテムは? その武器取るならこのアイテムも取らないといけない、そのスキルならこのクラスを選択した方が良いなどなど、それだけで一時間以上かかることもザラです。

この「ソード・ワールド2.0 RPGスタートセット」は、そういった煩わしさを徹底的に排除してくれています。TRPGを遊ぶ上で物語にのめり込むには上記のような要素もとっても大切なのですが、本当に初めてという人にとっては早く冒険したい! という方も多いでしょうし、なにより短い時間で楽しめるというのは大きな魅力です。

キャラクターカードを選んだらそれでOK。武器もスキルもステータスも名前も全て設定済みです。あとは冒険に出るだけ!!

ゲームマスターにとっても、ソロで遊べるシナリオがついていてルールの確認が一時間程度できちゃいますし、ルールブックは二十ページ程度でまとまっていますので非常に負担が小さいです。皆で遊ぶシナリオについても、すぐにダンジョンに入る事になりますから非常にスムーズ。協力ゲームのノリで遊ぶ事が出来ちゃいます。

マスタースクリーンもついてきて、これには戦闘の流れ、様々な判定に必要なスキルなどが一覧で見れるサマリーにもなっているので安心です。

ある程度TRPG慣れした人にとっては当然少し物足りませんが、「TRPGに興味がある、やってみたい」という人に対して「じゃあやってみようか」とさくーっと広げられるのはすさまじく大きな魅力であると私は考えます。ボードゲーム会に持っていって立卓しても違和感ありません。

ただ、ルールブックに少し煩雑な部分があり、魔法の行使について「行使判定はp15へ」「行使判定は魔法を使うときに行うp17へ」とたらい回しにされる部分があったりします。運用に迷った時は少しファジーにやるくらいで丁度いいかもしれません。

とはいえ、総じて良いものであると感じました。この作品がある事の意味、扱い方に魅力を感じる人にはマストバイになるかと思います。TRPGに興味がある、興味がある人を誘導したい人にはお勧め!

慣れたゲームマスター向け感想

本作に同梱されているシナリオは、初心者ゲームマスター・プレイヤーでも問題なく遊べるように、非常にゆとりの無い決め打ちされたものとなっています。

どういうことかというと、キャラクターの紹介も無しにいきなりクエストを受けた事になり、村へ強制移動で話しを聞かされ、次の瞬間洞窟にいる、という塩梅です。というわけで、プレイヤーにロールプレイを振るのが非常に難しくなっていますし、プレイヤーからロールプレイするタイミングがよくわからないまま進んでしまう事が多いです。

すこし強引にゲームマスターからキャラクターの描写を代行する、ぐらいで行くと楽しく遊べるかと思います。また、何度か回した後はシナリオを少しアレンジしてキャラクター紹介やお互いの交流パートを設けるなどしてあげると良いかと思います。

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