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1つの過ちが転落を招く元祖人生ゲーム? ボードゲーム「聖人上(しーじーあがるー)」レビューと感想

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聖人上(しーじーあがるー)
おすすめ度:★★★★★
ルール難易度:★☆☆☆☆
運要素:★★★★★
思考要素:★☆☆☆☆
プレイ時間:10~60
年齢:8歳~
プレイ人数:1~99人

ボードゲーム「聖人上(しーじーあがるー)」は、沖縄の古いすごろくゲームで、聖人を目指すために得を積み、数多ある誘惑に惑わされずに進み続けるシンプルで盛り上がりながら、考えさせられるゲームです。

ルール概要

それぞれのマスには選択肢があります。手番プレイヤーはダイスを振り、その出目と対応したマスへと移動します。

これを繰り返し、最も早く聖人に上がったプレイヤーが勝利します。

ゲーム感想

ルールは本当に上記だけ。戦略性も、選択肢もなく、ひたすらにダイスを振り、マスを移動していくだけとなります。いうなれば運だけ。しかしそれぞれのマスに書かれた人生の道程が、なんとも考えさせられつつ、かつ、バカバカしくもあり、不思議なゲームとなっています。

ちなみにダイスの出目は1~6の数字ではなく、漢字となっています。「盗」「忠」「仁」などなど。

スタートマスは「生」から始まります。生まれた。もしくは生きている、ただそれだけの人。そこからダイスを振り、出た出目の経験を積めば、それに対応した職業へ。しかし、いわゆる罪である「盗」が出ると、「盗人」になります。それでも悪行を続けると流刑となり、最後は死罪へ・・・ゲームから脱落してしまいます。

しかし、盗人に堕ちたとしても、人は誠意ある行動を続ければやり直せるもの。キャリアの道は厳しいながら、まだまだチャンスはあります。得をつみ、良い出目を出し続ければ、きっと聖人になれることでしょう。

ああいや、けれども人生に誘惑はあまりにも多い。役職を重ね、責任が大きくなってくると、その行為の代償もまた大きく、一度間違えばその瞬間に流刑へ。どんなに頑張り、国に貢献したとしても、罪は罪。世知辛いですね・・・。

けれどもそれを乗り越え、得を積み、高みに登ればもはやダイスで「盗」が出てもそこに留まるだけで、あとは登るだけ・・・。

と、ががっと書きましたが、一度のダイスロールで一気に転落するピーキーさ。そこから這い上がっていく事で大きく盛り上がるゲームになっています。特に中間部分から転落する容赦のなさがヤバすぎる。

昔沖縄で遊ばれていたゲームだと言われますが、なんとも凄まじいゲームを遊んでいたんだなあと思います。

特にある程度上位階級にいくと、何をしても下がることはない、というのがもう、なんというかこう。いつの時代も人の世は変わらない、と思うのか、そこまで得の高い人が悪行を為すはずがないと取るのか。それでこのゲームの印象は変わるのでしょう。

人生に重ねつつダイスに任せる楽しさ、ゲーム内から感じる一種の理不尽さに一喜一憂する。そんなゲームです。こういう昔のゲームを遊び、当時を考えるのもまた、楽しいですよね。ゲーム本体の楽しさもさることながら、そこから感じる歴史を味わうことも考えると、本作を遊ぶこと自体が特別なことと感じられるから不思議です。

そーそー、そういうもんだよね、と笑いながら楽しめる。そんなゲームです。

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