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ダイスを使った一風変わったアクションと相手の足下を見るのが楽しいボードゲーム「シニョーリエ」レビューと感想

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シニョーリエ
おすすめ度:★★★★☆
ルール難易度:★★☆☆☆
運要素:★★☆☆☆
思考要素:★★★☆☆
プレイ時間:90 − 120
年齢:12歳~
プレイ人数:2~4人

ボードゲーム「シニョーリエ」ではプレイヤーは貴族となり、イタリアでの覇権を競うために権力を高め合うダイスを使った少し変わったアクションが独特なゲームになっています。

ルール概要

ラウンドの最初に5色のダイスがそれぞれプレイヤー人数分振られます。

プレイヤーの手番ではこのダイスの特定の色一つを取り、自分のプレイスペースの所定の場所に配置、そのダイスの色に対応したアクションを行います。アクションにはお金を稼ぐ他に、結婚して子供を産む、男性をそれぞれのレート表へと送る、ちょっとした付属アクションを獲得するなど、特徴的な物になっており、かつそれぞれの色に3つのアクションが設定されており非常に悩ましい物となっています。

プレイヤーボードには拡大再生産要素として、アクション自体に付加効果をつけて強化するというアクションも用意されており、これによりアクションを強化して今後を有利に進められるようにもできます。

アクションに使うダイスには閾値が設定されており、その数字に満たないダイスを使うと差分の金額を支払う必要があります。だからといって大きな数字ばかり使っていると、ラウンド終了時のボーナス獲得ができません。

それぞれが4回手番を行う、つまり4つのダイスを選択するとラウンドが終了し、使ったダイスの合計値が13以下であればボーナスを獲得することが出来ます。

お金、アクションの強化を繰り返し、最終的には自身の持つ男性と女性を各地に派遣しそれぞれの家の旗を集め、それをセットコレクションにする事により点数を稼ぎ、一番多く勝利点を獲得したプレイヤーが勝者となります。

勝利点となる旗は、指定のセットコレクションで3枚以上にならないと点数を生み出さず、ゲーム中にも様々な方法で点数が入りますので、戦略的に動いていく必要があります。

感想

久々に「相手の手を読む」という行為がタップリと味わえるゲームとなっていました。毎手番で無くなっていくダイスから相手の手筋を読みつつ、自身の利益を確保する。ラウンド終了時のボーナスを睨みつつ優先順位を適時変更していく臨機応変な計画性が求められますので、そういったゲームが好きな方にはもうたまらないのではないでしょうか。

アクションを強化する拡大再生産要素も楽しいですし、何よりどれも強力です。

本作では細々としたリソースは存在せず、男性・女性ミープル、お金しかありません。男性・女性ミープルは正直見てもあまり意味は無いのでお金に絞られます。さらには今までどういったアクションをしたのかはダイスの可否でわかるわけで、そこから相手がどういった行動をするのか、という読みが非常にシンプルにできるようになっています。これがもうたまらないわけです。

皆もう黄色ダイスを取ってるから、今はあれは放置でいい。普通なら6出目ダイスはラウンドボーナスを考えるなら危険だけれどとる事によってアクションの効果が高まるから今の内にとっちゃえ。なんて思考をしながらゲームを続けて行きます。

ゲーム中も様々な方法で勝利点を獲得出来ますし、ただただ紋章タイルを集めても点数にならず、セットコレクションにしないと勝利点にならないというのが悩ましい所。

ゲーム自体は変則的なワーカープレイスメントというか、それぞれのプレイヤーの絡みを生み出すための共通アクションダイスという形になっているのかなと思います。

ダイスを使うとどうしても運の要素が大きくなりますが、本作ではそれを回避するために様々なルールが整備されており、ちょっとしたリスクマネジメントによりほどよい運と戦略性、そして相手の足下を見るなんともいえないゲームプレイ感を生み出せていると思います。

戦略的なゲームが好きな方、拡大再生産要素が好きな方にオススメです。ゲーマーズゲーム好きな方にも響く物があるのではないかと思います。重たい部類に入りますが、やることはダイスを取り、どのアクションを行うのか、という部分に集約されますのでルール的には難しくありません。中量級といったところでしょうか。

時間も短めでサクサクっと遊ぶ事が出来ます。

面白いですよ、久々に夢中に遊べた濃厚なゲームでした。オススメです!

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