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農民とメックが共存するどこか放牧的な戦略シミュレーションボードゲーム「大鎌戦役(Scythe)」レビューと感想

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Scythe:大鎌戦役  (日本語マニュアル添付)  | サイコロ堂
大鎌戦役
おすすめ度:★★★★☆
ルール難易度:★★★☆☆
運要素:★★★☆☆
思考要素:★★★☆☆
プレイ時間:90 ~ 115
年齢:14歳~
プレイ人数:1~5人

ボードゲーム「大鎌戦役」は超技術を得た各国がお互いの領地を主張し、共存し、時には奪い合う様をどこか放牧的に描いていく戦略シミュレーションゲームとなっています。

舞台は「ファクトリー」が各国に超技術ハイテックロボ「メック」を供給し戦争の拡大を促していた1920年代ヨーロッパ。その「ファクトリー」が突然門を閉ざし沈黙し各国がその技術を独占しようと動き出した所から本作はスタートします。

ゲーム概要

プレイヤーはそれぞれ特徴的な能力をもつ国を担当します。国ごとには本拠地が示されており、そこにキャラクターや周辺地域に木ゴマであるワーカーが配置されます。

本作では一体でも自国のユニットが地域に存在すれば自国領域となり、そこに存在する各種リソーストークンはそのまま自国のものとなります。本作ではお金以外のすべての資源をマップ上で管理しますので、うっかり最前線付近で農耕をしていると他国に領域ごと奪われる、という事も起こりえます。

それぞれのプレイヤーにはアクションが記述されたボードが配られ、手番ではそのボードの上にアクショントークンを配置して手番を実行します。どういうことかというと、マップ上を移動したかったら「ムーブ」にアクショントークンを配置してアクションを実行します。次回の手番では「ムーブ」にすでにアクショントークンが配置されているため連続して「ムーブ」を行うことはできません。他のアクションをする必要があります。

また、ボードには上段アクションと下段アクションに分かれており、上段アクションを実行するかどうか選択し処理をしたあと、下段アクションも実行するかどうかも選択します。上段アクションがマップに影響を与えるものだとすれば、下段アクションは個人ボードに影響を及ぼします。例えば下段アクションの「アップグレード」を実行すると上段アクションの内容が強化され今後さらなる自国の拡大ができるようになります。

このように自国の拡大をしつつ、他国とも少しずつ関係を持ちつつ、最終的に一番多くのお金を持っていたプレイヤーの勝利となります。

ゲーム感想

本作の要素は大量にあり、それを1つずつ説明するのは大変だし疲れますのでざっくりと概要を説明させていただきました。とはいえルールが難しいかといえばそうではなく、一つ一つの要素は非常にシンプルであります。生産を行えばそこの土地にいるワーカーの数分資源を生み出す、移動を行えば指定したユニットが動く、アップグレードを選択すれば個人ボードのキューブを動かす・・・。

一度ゲームが始まってしまえば特に混乱する事なくゲームを続けられるかと思います。

戦闘といった一見めんどうくさそうなルールも、お互いに戦力をどれだけ投入するかのバッティングで数字勝負するだけであったり、勝利点もレートで表記されていて全体的にプレイアビリティが非常に高いです。選択肢も限られており、ダウンタイムもほぼなくさくさくっとゲームが進んでいくのもいいですね。

また、本作は遭遇やファクトリーカードといったゲームに多大な影響をおよぼすイベント要素あり、それによってガチガチな雰囲気をやわらげています。各勢力の能力も非常に強力で、どこでなにが起こるのか全くわからない。本作一番の要素であるなんとも雰囲気のあるメックたちですが、だからといってこれらがドンバチやるというとそうではなく、戦闘にワーカーが巻き込まれてしまうと民心が下がるというデメリットも存在しています。これらによっておいそれと戦闘ができないように設計されており、どこか放牧的な雰囲気を常に感じます。

ゲーム全体の雰囲気が好きな人にはたまらない、そういった類のゲームなのではないでしょうか。じわじわっと自国を拡大していき、隣国とにらみ合いつつも利益を少しずつ出していくこの感じ。精巧なフィギュア、練りこまれた設定、強力なイベントの数々。その中で浸りたいという方にはまさにピッタリです。そのためゲーマーズゲームではないのかなと感じますが、やり応えは抜群です。

また、本作のフィギュアは本当に精巧なので画像のように色を塗るとぐぐっと引き締まりますよ! 

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