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経済交渉ボードゲーム「ポンジスキーム」レビューと感想

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ポンジスキーム
おすすめ度:★★★☆☆
ルール難易度:★★☆☆☆
運要素:★★☆☆☆
思考要素:★★★★☆
プレイ時間:60~90
年齢:12歳~
プレイ人数:3~5人

ボードゲーム「ポンジスキーム」はそれぞれのプレイヤーから資金を調達して配当金を配るという自転車操業じみた詐欺を繰り返しつつ、最後まで見せかけの金だけで駆け抜ける苦しさにまみれたゲームです。

ルール概要

手番では債務者からお金を受け取り、配当金の約束をします。これが何ラウンド後に来るのかというのはそれぞれで違います。さらに、ペーパーカンパニーを得る。まさに見せかけの会社に投資しているよと喧伝しているわけですね。

全員がこれを行ったら、他のプレイヤーとペーパーカンパニーをやり取りする事ができます。手番の人は同じペーパーカンパニーを所持している相手を選び、革財布コンポーネントにお金を入れて渡します。相手はその中身を確認し、受け取るならペーパーカンパニーと交換、逆に相手のものがほしいときは二倍の金額を入れて返します。

これを繰り返していき、誰かが破産した時に最も勝利点を獲得していたプレイヤーの勝利となります。

ゲーム感想

嘘に嘘を重ねて実態がわからなくなっていく様がよく表現できているなあと思います。

金を引き出し、配当金の約束をし、その金を集めるために別の人から金を引き出す。詐欺者同士で架空の会社を金でやり取りし、見せかけの塔が気づかれていく・・・。なるほど、苦しくもピリリとしたゲームだと思います。

それぞれのプレイヤー間でどの程度の金が動いているのか。今の相場はどれくらいなのか。あいつあんなに金を引き出しているが払えるのか。自分はあとどれだけ支払い能力があるのか・・・。

そういった1つ1つを天秤にかけ、自分こそが一番だと虚勢を貼り続けるわけですね。ううん、面白いです。

一見ゲーマーズゲームなんだけれど、その実は結構カジュアルゲーマー向けなんじゃないかな、と思ったりもする本作。というのもこういった詐欺テーマってなかなかないし、コンポーネントの質もこっててロールプレイがむちゃくちゃ楽しいですよね。

一方で、ゲームをルールとして見ていくととにかく不透明。誰がどういう金額レートでやり取りしているのかもわからないし、所持金もわからない。隠されている要素が多くて、どうしてもゲームとしてノイズが多いのかなと感じてしまいます。また、お金のやり取りもちょっとテンポが悪く、全体的に間延びした雰囲気、とくにゲーム自体が緊張感のあるものなので、後半はちょっとダレが出てきてしまいました。

ゲームとして緩急があればよかったのですが、最初から最後までとにかくきつい。そういうゲームであると最初に説明しておくのが大切なのかなと思います。

フレーバーをルールとしてきれいに表現できているし、詐欺師をやってるう! という実感があるゲームです。だからこそちょっとどういう人が一番楽しめるのかわからなくなる、そんなゲームでもあるんですよね。

色々言っていますが、お金をやり取りするゲームとして、なかなか特徴的で印象に残るゲームには違いありません。話題になるだけはありますね。ゲームにリアルさ、らしさを求めているなら本作はまさにピッタリかと思います。一緒に遊ぶ人を選ぶのにはちょっと注意が必要、そんな感じでしょうか。

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