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生産に次ぐ生産によるライン組み上げがたまらないカードゲーム「オー・マイ・グーッズ! 」レビューと感想

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オー・マイ・グーッズ!
おすすめ度:★★★★☆
ルール難易度:★★☆☆☆
運要素:★★★☆☆
思考要素:★★★☆☆
プレイ時間:30
年齢:10歳~
プレイ人数:2~4人

カードゲーム「オー・マイ・グーッズ! 」は市場に並んだ資材から施設を稼働させ加工品を作り、その加工品をまた別の施設に運んで別の加工品にする、という生産ラインを組み上げていくのが楽しいゲームとなっています。

ゲーム概要

ゲームはラウンドで進行していき、ラウンドは4つのフェイズに分かれています。

手札調整フェイズでは、手札が気に入らない場合はまずそれを入れ替える事ができます。その後手札を追加でに二枚補充します。

次に日の出フェイズ、山札からカードを公開していき、右にある資材アイコンの下に太陽マークが2つ出るまで引き続けます。これによりこの日市場に出る素材が決定します。

山札からカードが引き終わったら、このラウンドでどの施設を稼働させるのか、労働者を割り当てます。労働者はきちんと働けば2つ加工品を生産できます。ずさんに働けば一つしか生産しませんが、資材を一つ割り引けます。ここがなんとも悩ましくできています。このタイミングで、手札から建築したい建造物があれば裏向きで場に出しておくことが出来ます。

第三フェイズは日の入りフェイズです、といってもやることは日の出と同じです。山札からカードを太陽アイコンが2つ出るまで引くだけ。

第四フェイズは生産と建築となります。市場にならんだ資材から施設を稼働させます。資材が足りない場合は手札から出すこともできます。また、一度稼働を始めた施設は特定の資材を追加投入することによりさらに加工品を生み出す事ができます。

これを繰り返し、一番点数の多いプレイヤーが勝利となります。

ゲーム感想

加工品の生産とそれをコンボしてさらなる生産につなげる、まるで生産ラインを組み上げていくような感覚のあるゲームです。

ゲームのコアとなるカードは一種類しかなく、裏向きで加工品、表向きで施設もしくは資材と、三通りの使い方がされそれによって110枚のカードでやりごたえのあるゲームに仕上がっております。

山から引かれた市場カードを見て、さあどの施設を稼働させようかと考えるのも楽しければ、今後どう施設を組み上げていってコンボしていくのかを考えるのもワクワクです。

他の感想を見ていると、山から引かれていくカードを天に任せるゲームといった評価をちらほらと見かけますが、個人的にはそうではなくって、本作はリスクマネジメントと需要・供給への対応がこのゲームの本質なんじゃないかと感じました。

というのも、例えばあるプレイヤーが大量に炭を作っている。炭は基本的に木を使います。炭焼き小屋自体、全てのプレイヤーが初期から所持しています。ということは、大量の木が使われ、その木は加工品として裏返されて各プレイヤーの場札として置かれます。

当然、山札には木のカードはなくなっていくので市場から引かれる木は少なくなりがちになっていく。ここで木が3つ必要な施設をたてようものなら、その施設が稼働するタイミングは一体いつになるのか・・・。

それが基本としてあり、各々がどういう施設を持っているのか。皆どの資材がほしいのか、そしてどういった資材が加工品として各々の場札として埋まっているのか・・・。それを考えつつ今供給の多い資材をメインにした施設を用意する。

となるとめくられるカードは一見運要素のようですが、その確率はある程度計算できるというわけです。

そもそも市場カードは全員で共有するので条件は同じ。その中できちんと状況に対応できる人が着実に点数を伸ばしていけます。ああ、この場読みの一見地味ながらもじんわり来る快感。

そこからの施設同士のコンボ。炭焼き小屋で作られた炭はこれまた他の施設で作られた鉄と組み合わさり最終的に工具となる。というようないくつもの施設を経由したラインの形成。それが達成された時の楽しさはたまりません。

運の要素がほどよく、お手軽に遊べる軽さも備えつつ、その手のゲームが好きな人には満足できる作品に仕上がっています。一方でゲーム中じわじわっと快感値が高まっていくので盛り上がり所は少ないゲームだと思います。

第四フェイズ以外、手番順が重要な場面はほぼ無いので、ここまでは同時進行でも問題ないかなと感じます。そうすると一気にテンポが早くなってさくさくーっとゲームが楽しめるようになってきます。

好きな人は好き。好みがハッキリと別れる作品ですね。基本的なルールは難しくないものの、長いスパンでの戦略性はあるため手なりにやってるとよくわからないまま終わることもあるでしょう。

個人的にはかなり好きです。需要と供給への対応、加工品を繋ぐコンボ性、そしてそれを内包する施設建築の計画性。たまりません。

普通のカードゲームとは違う、ボードゲーム的な楽しみ方ができるゲームとなっています。パズル的、プログラム的な要素、コンボ要素が好きな人にもオススメとなっています。

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