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苦しさを楽しめるかどうかがカギの運と計画性が際立つ波乱万丈商売ボードゲーム「ヘイタブ」レビューと感想と和訳ルール

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ヘイタブ
おすすめ度:★★★☆☆
ルール難易度:★★★☆☆
運要素:★★★☆☆
思考要素:★★★☆☆
プレイ時間:120
年齢:12歳~
プレイ人数:2~4人

ボードゲーム「ヘイタブ」は依頼を達成するために商品をやりとりするゲームながら、その苦しさに苦しめられ、さらにイベントによる様々な効果が襲いかかる不条理を楽しむゲームとなっています。

ルール概要

基本的には場所を占領しないワーカープレイスメントとなっています。ボードにある各所にワーカーを配置してアクションを行いますが、基本的に同じアクションも他人を行う事ができます。

ただし「同じ色のアクションはできない」という縛りはありますので自身のワーカーのみに縛られるワーカープレイスメントという塩梅です。

ボードを大きく占領するアクションホイールはラウンドごとにくるくる周り、昼側と夜側があります。夜側のアクションを行うとダイスロールをしてそれによって様々なイベントが発生します。強烈なものが多く、それらイベントに対する準備をどれだけできるか、が本作の重要なポイントになります。

ゲームを有利にすすめる職業カード、刻々変わる商品レート、能力の違う運搬カードなどを駆使して点数を獲得するために立ちまわります。

様々なアクションを組み合わせ、商品を運搬し、依頼通りに商品を納品しつつ点数と金を確保して最終的に点数の一番高いプレイヤーが勝者となります。

ゲーム感想

色々な意味で話題だった本作ではありますが、ついに遊ぶことができました。世界で1000個限定生産なんて話もありましたが本当なんでしょうかね?

本作は非常に難しいゲームとなっています。商品を仕入れ、それを依頼達成カードに移すために五アクション程度かかります。一ラウンドで行えるアクションは基本的に三回。それを考えると二ラウンド程度をかけてゆっくりと物事をすすめる必要があります。

そして話題になる一番の原因でもある夜側アクション。これによって起こるイベントがダイスによるランダムなものになるんですが、これがもう強烈なわけです。罰金、他の人からリソースを獲得する、職業カードを失うなどなど。

その中でも他のプレイヤーとの兼ね合い、変わる点数レート、動く職業と、どう行動を取っていくのかが非常に重要になってきます。

色々言われていますが、個人的には本作、嫌いじゃないです。様々な要素を考慮した上でリソースを確保し、いくつかのアクションが相互に咬み合って機能するように動く。ワーカープレイス面で他人との絡みはありませんが、だからこそある程度計画的に物事をすすめることができます。

といっても完全なソロゲーといえばそうではなく、アクションホイールがどれだけ動くのか、カードの取り合い、売買レート・・・。そういった直接攻撃も含めたやり取りが楽しい。

拡大再生産ではないからこそ、それぞれのアクションの重要性が際立ち、それをどう効率よく見建て上げられるのかという部分に楽しさを感じることができるのならば本作は一気にその魅力を増すものと思います。

ガードレール無し、ひたすらに走り続けるマラソンのようなゲームです。一度躓くと差が決定的に開く。一昔前のドイツゲームによくある感じですが、それが今出てくるのかという驚き。

最初に与えられた250というお金。これをどう削りながらゲームを続けていくのか・・・。場を見て、周りを見て、人を見る。金を点数へと変換する、というゲームへの一つのアプローチとして、本作はその点だけを見るとすごくシンプルなのではないかと思うのです。

オススメ、とは素直に言えないのは確かですが、「他人としのぎを削りながら点数を高める苦しさ」が存分に楽しめる作品です。苦しさが楽しい。そういう不思議な感覚が味わえるゲームでしょう。

個人攻撃ありありですので、遊ぶ上では面子に配慮しきちんと説明した上で遊ぶと良いでしょう。本作でしか味わえない不思議なリアルさが確かにあるゲームです。一度は遊んでほしい作品です。

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