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使える物は全て賭けろ!! 自由交渉が生み出す楽しさボードゲーム「ジェノバの商人」レビューと感想

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ジェノバの商人
おすすめ度:★★★☆☆
ルール難易度:★★★☆☆
運要素:★★☆☆☆
思考要素:★★★★☆
プレイ時間:60 − 120
年齢:12歳~
プレイ人数:2~5人

「そこに行ってくれたら資材とこのタイルとこの目的カードあげるよ」「それじゃあ俺はこのチップもつけるよ!!!」

まるで競り市にでも来ているような言葉が飛び出す楽しい交渉ゲームがボードゲーム「ジェノバの商人」です。プレイヤーは商人となり、市場とその周辺施設を渡り歩きながら品物を運搬、様々な依頼を達成したり施設へと自身のチップを置いたりしながらお金を稼いでいきます。最終的に一番多くお金を稼いだプレイヤーの勝利となります。

ボードはこんな感じで、手番プレイヤーディスクを五つ持ち、ダイスを振ってスタート地点を決めます。出たマスにディスクで塔を作り、そこからディスクがあるだけマスを進めます。この時、どう動くのか、どこを通過するのかを全員で好きなように交渉する事が出来るのです。プレイヤー自身の思惑もありますし、それをまげさせるには勿論それ相応の代価が必要ですよね。他のプレイヤーに旨みをあげないように何も無いマスを歩かせるためにリソースを吐き出す事になることもあるでしょう。

ここで重要なのは、リソースの受け取りで交わされた約束は絶対に達成しないといけないということ。このラウンドでやりとりできるリソースしか使えないと言うこと、ですね。手に持てる物はゲーム内のものであれば全て交渉に使う事が出来ます。タイルもチップもカードもキューブも、全て!! この自由度が複雑な交渉を生み出しつつも、なんとも悩ましい物にしてくれます。

ゲームの進行に合わせてそれぞれの価値は簡単に上下し、また、どれくらいの基準値があるのか不透明なまま進みますので、だれが勝っているのかわからなくなり、交渉も思わぬ方向に動いたりしていきます。

交渉、競りゲームというと、そのバランスの取り方がなんとも難しい所ではありますが、純粋にその楽しさを味わえるという意味ではとても良いゲームなのかなと思います。それぞれの思惑が絡まって、お互いが一番になろうと策を練るわけですが、それが空回りしてたりしてなんともおもしろおかしい事になります。

勝ち筋や定石が無いタイプのゲームですので、遊ぶ度に展開が変わるのも面白いでしょう。かなり複雑なゲーム展開になるので、経験者ゲームになりづらいのも好きという方は多いのでは無いでしょうか。

私としては、競りの基準値がわかりづらいので交渉していてもどれくらいのラインだとお得なのかがよくわからなくなってしまうと言う物があります。勝ってるプレイヤーが誰かもわからなくなってしまうので本当に難しいですね。とはいえ他には無い、独特の遊び味がある楽しいゲームだと思います。

競り・交渉ゲームが好きだけれど後腐れの無い物を探している、ポジティブな交渉をしたい、約束が反故にされるタイプの信用取りゲームが好きじゃ無いといった方はこのゲームはオススメだと思います。

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