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ダイナスティ | |
おすすめ度:★★★★☆ | |
ルール難易度:★★★☆☆ | |
運要素:★★★★☆ | |
思考要素:★★★☆☆ | |
プレイ時間:60 | |
年齢:12歳~ | |
プレイ人数:3~5人 |
ボードゲーム「ダイナスティ」はヨーロッパの貴族たちの政略結婚がテーマの要素盛りだくさんのエリアマジョリティゲームとなっています。
ゲーム概要
基本的に手番ではカードをプレイしていく事で手番で何をするのかを決定します。カードには様々なアイコンが記述されており、船から資材を獲得、各地に侯爵・夫人を派遣、人物タイルの獲得、カード毎に設定された特殊アクションの実行という感じです。
カードを所持しているだけアクションが出来ますので、人物タイルなどでカードを獲得出来ますと他の人より多くの手番を行うことができます。
本作では「政略結婚」という大きなフレーバー的なテーマとは別に「分与」というメカニクス的なテーマがあって、それが随所に現れています。船アクションをするとすぐに資材が貰えるかというとそうではなく、二つのコマが置かれた時に資材の分与が発生します。別々のプレイヤーが一つの船にいた場合、大きなマスに自コマを置いたプレイヤーが好きなように資材を分け、どちらかを取らせる、という具合です。
同じように各地域で二つのコマが置かれると結婚が発生し、その時にダイスを振ります。これにより様々な支援が受けられるわけですが、ここでも「分与」が発生いたします。これまたなんとも政治を感じさせますね。「我々は一つになった。協力せねばならぬ。しかし立場は対等ではあるまい?」なんて会話しながらダイスを割り振ります。
ゲームは三ラウンドで終了し、各ラウンドで各地にいるミープルによって地域毎のエリアマジョリティの点数が発生いたします。ただ、ここで点数が発生するのは独身のミープルのみ。結婚していると点数が発生しません。三ラウンドまでそれぞれの地域で権力を増した結果、結婚の価値が出てくる。そんなメッセージがあるような気がします。
ゲーム開始自には目的カードを貰え、これも得点源になるため出来る事が多い分、非常に悩ましいゲームとなっています。
ゲーム感想
基本的にはやること自体はエリアマジョリティでありながら、要素が盛りだくさんなゲームとなっています。一見拡大再生産か、と思わせつつもそうじゃない。特殊アクション、得点カードなどなど、ポルタニグラなどの最近の重ゲー好きにはたまらないと思います。
一方でフレーバーやメカニクスの一部にはカジュアルに遊ぶ人には楽しめる部分が多いです。特に結婚の部分。遊びながら「だれかけっこんしてくれぇええ」という悲痛な叫びを上げながら呼びかけてみたりする様は中々笑いを誘いますね。こういうガッツリしたゲームでそういった笑いや盛り上がりがあるゲームというのは珍しいかなと思います。
先を見据えつつ、確実に行動をしながらも、ダイスや点数カード、資材のランダム配置など、運の要素が随所にあるため非常にままならないゲームとなっています。確実にゲームを進めていきたい方には合わないゲームとなっていますが、そういったランダム要素を平均化するために積極的に獲得していくというのが大切なのかなと思います。
そういうわけで、本作は実はゲーマーズゲーマー殺しの重量級ゲームという、非常に矛盾に孕んだゲームになっているのではないでしょうか。二手先、三手先を読まないといけないので、そのためにはリソースが欲しい。欲しいがそのためには他プレイヤーと分与しなければならない。そういう「確実に得られるかどうかはわからない」が常につきまといます。そうこうしている内にカジュアルに遊んでいるプレイヤーがするーっと点を取っていったりしちゃって。
テーマも非常にキャッチーですし、ゲーム慣れしてきた人の重量級最初の一つとして、普段ゲームを遊ぶ時もお喋りしながらが好き、なんて人にはピッタリな作品なのかなと思います。一見要素は多いですが、遊び始めると全体的に直感的に、シンプルに考えられるように出来ています。オススメですよ!
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