サイコロ堂、金曜ゲームシェルター「スペキュレーション」「ブラックロック城」「ウィラコチャ」等幅広く未体験ボードゲームを楽しむ
2016/01/21
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スペキュレーション
サイコロ堂にずっと置かれていたスペキュレーションをついに遊ぶ。株取引の先物買いをテーマにした凄くシンプルなゲームになっていますね。小難しい要素は一切無く、プレイヤー達の思惑によって多様な様相を呈する企業達。ルールを読むだけではこんなルールで大丈夫かと思えるくらいシンプルでしたが、遊んで見るとそりゃもう凄い動きをしてくれました。
まさに私達が思い描く株の動きという感じ。基本的にはすごろく形式でコマが動いていくのだけれど、どのコマを動かすのかというのはプレイヤー達のカード次第。ここでカードがバッティングして同じ企業をさしたりすると、一気にガガッと動いて順位がまるっと入れ替わったりしてそのままならなさに盛り上がります。
売りたいのに売れない!! 折角一位なのに早くしないと落とされる!! といった焦りが非常に楽しく遊べます。
株ゲーと言うことで事故ったときの救済も無く、ミスをすると一気に沈み復帰できない可能性もあったりします。ここらへんリスクマネジメントをしっかりする必要がありますね。
最低プレイ人数3人でも相当楽しかった本作。今度もう少し多い人数で遊びたいな。同時アクションだしケツは決まってるので何人で遊んでもプレイ時間が変わらなそうなのも大きな魅力。かなり楽しかったです。良いゲームだと思います。パーティーゲームとしても良いと思います。大いに盛り上がります。
株をテーマにしたゲームでもアクワイヤのような建築系、競りをテーマにしたのではモダンアートなどがありますが、これだけ上下する価格を睨みながらやきもきするゲームは初体験です。そういったゲームを探していた! という方はオススメ。
キャプテン・リノ
以前「巨大キャプテン・リノ」を遊びましたが元ゲーは遊んでいなかったのできちんとしたルールで遊ぶ。手札を消費していき最初に無くなった人が勝ちのシンプルなハンドマネジメント・手番ゲームにバランス要素がプラスされた感じですね。「巨大キャプテン・リノ」の時のレビューはこちら↓
ボードゲーム「巨大キャプテン・リノ」レビューと感想|Board game every day
元であるキャプテン・リノはトランプサイズのカードで遊びますが、それでもなるほど、面白いですね。ゲームとして真面目に見てしまうと、いくつかのカードがバランスを崩しており、単純にカードをプレイしていった方が普通に楽しいなって感じがしますが、それも子供が遊ぶ物だと思いますとこれくらい効果大なもののほうが必殺技っぽくて変化が出て楽しいのでしょう。
カードに銀の版押しがされていて中々豪華でいいですね。トランプサイズでも遊んで見るとかなり高い所まで積まれますのでインパクトありますね。積み木ではなく厚みはありますが紙ですので凄くアンバランスでぐらぐらっとしていて大人がやってもハラハラドキドキできて良い感じ。やはり長く遊ばれるゲームはそれだけ良いという感じですね。楽しかったです。
ブラックロック城
色々な人からちょこちょこ話しは聞いていたブラックロック城。肖像がを集めて中央の財宝部屋へと自分の騎士を集めるというゲーム。手番ではダイスを振って、出た色の騎士を動かしていく。好きなだけ動かしてよく、好きなときに基本止まれる。タイルには四つのマスがあって、それを縦横移動でコマが動いていくわけだけれど、四つのマスの内どこかが支えが無くタイルが傾くようになっていて、そこにコマが置かれると落とし穴にハマったように転んでしまうギミックがある。
ここがまず面白くって中々に楽しい。さらには落とし穴の対面にコマがあるとバランスによって落とし穴に落ちないなどの戦略的な要素もまたあってそれもまた新たな道が開かれるような感じで楽しいですね。基本的には記憶ゲームなのだけれど、そこまで難しくも無く、きちんとゲームが収束するようになっていて楽しめます。
四人まで遊べますが、それだと盤上がかなり窮屈になるので三人がほどよいかなとか思ったりします。子供向けゲームではありますが大人が遊んでも相当に楽しい作品かと思います。現在は絶版のようですが勿体ない。それくらい楽しいゲームでした。
記憶と度胸がタメされるシンプルでかわいらしいゲームといった感じです。ううん、これは良いゲームですよ。
天空都市ヴィラコチャ
一見カルカソンヌのようなダイスを使った建築・拡大再生産という感じですが、実体はダイスゲームでした。飛行船やドリル、探検家などを各地方へと派遣して鉱石を採掘したりダイスを増やしたりして他のプレイヤーを襲撃しつつ勝利を目指す、他人への直接攻撃を前提としたルールメイクがされています。
基本的な流れはシンプルなのですが、一つ一つの要素に枝葉が多くアリ、プレイサマリーもありますが説明不足。駒置きルールや襲撃、略奪に必要な一つ一つの要素がそれぞれ適応ルールが違うので最初のプレイはそれを覚えるのに終始する感じ。一度遊んで基本的な流れがわかれば次回からはサクサクっといけるかなという感じですね。
最初のゲームだと拡大再生産なのか陣取りなのか殴り合いなのかというのをわからないまま勝利上件を達成してしまいなんだか終わってしまったという感じで終わりそうです。
また、初期配置をミスッた後のダイスロールでどうにもならずに沈むという展開も見受けられ、コマ配置ルールも少し疑問が。インスト負荷が相当高そうですが、ダイスゲームとしては色々な要素がありますし、攻撃もスチームパンクな雰囲気も相まってキングオブトーキョーなどのダイスゲーム好きは面白く思えると思います。効果カードもどれも凄い効果を持っていますし、行動が全て勝利に繋がるのも良い感じ。粗は見受けられますが嫌いにもなれない。そんな感じのゲームだと思います。
クク
元々は賭けに使われていた古典カードゲームらしいです。それぞれのプレイヤーに1枚ずつカードが配られ、そのカードを回すかキープするかの選択肢を選びます。回すときは隣の人と交換。交換は基本拒否できません。最後に全員でオープンし、数の大小で勝負を決める。
パーティーゲームとして遊ぶとかなり決め打ちで遊ぶ感じになりがちですね。シンプル過ぎる分、駆け引きを楽しむにはもうちょっとルールが欲しい感じ。
特定のカードには効果があったりして、それを読みつつ今後の展開を考えていく必要がありそうですね。
心理戦をしかけるにはちょっとパーティーゲームよりかなと思いつつ、真剣に遊ぶと中々に熱いゲームにもなりそうです。何度も繰り返して遊ぶゲームでもありませんが、やっていくとじわじわっと面白さが実感できるゲームでもあるかと思います。妙な魅力があります。コンポーネント綺麗さも相まって手元に置いておきたいゲームの一つです。良いですね。
イントリーゲ
信頼と交渉と裏切り「だけ」で回すゲーム。アブストラクトで、口や行動だけで進めていくかなり意地の悪いゲーム。それぞれのプレイヤーの場には持ち駒と大学があり、自分の駒は他人の大学へ。他人からも自分へと就職しに人がやってくる。手番では給料・採用・派遣と三つのフェイズがあって、給料フェイズで他の大学で働いている駒からお給料が、採用で就職に来た他の駒を採用する。
この採用フェイズがこのゲームのキモで、一人一人プレゼンをおこない、お金や口、行動を使って自分の駒を就職してもらえるように頼み込む。そして渡されたお金は勿論ちゃっかり貰い、裏切ってもかまわない。ここまで他人の絡みだけに焦点を絞ったゲームも珍しい。
シンプルだからこそ熱い舌戦と信頼の取り合いが進む。
このゲームはかなり「好き嫌い」が出るでしょう。人の信頼度というのは得てしてゲームの勝敗を越えて強く人を縛る。いくら理性で一位の人を落とさないとイケナイとわかっていても、それまでのゲーム内行動を見て裏切るというのにどういった感情を持つのか。人間性が出るゲームであり、だからこそゲームはきちんと収束する。こういうゲームもまたありだと思えますね。