ずっしりとした遊びごたえの生産と取引のボードゲーム「クランズオブカレドニア」レビューと感想
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名前 | クランズオブカレドニア (Clans of Caledonia) |
デザイナー | |
---|---|---|---|
おすすめ度 | ★★★★☆ | ルール難易度 | ★★★★☆ |
運要素 | ★★☆☆☆ | 知略・思考要素 | ★★★★☆ |
プレイ時間 | 30~120分 | 年齢 | 12歳~ |
プレイ人数 | 1~4人 | BGGスコア | 8.2/10 (4040票) |
BGG重量 | 3.4/5 |
「クランズオブカレドニア」ってどういうゲーム?
「クランズオブカレドニア」の紹介
ボードゲーム「クランズオブカレドニア」は、氏族として自身の建物や畜産農地で土地を広げていき、そこから出る様々な成果物を加工しつつ、依頼を達成して影響力を高めていくゲームです。
ルール概要
基本的に手番では土地代や建築代を払って建物をマップ上に配置、品物を市場で売却・購入、依頼を達成といった事を行っていきます。建物は麦を生産する麦畑、ウールや牛乳を生産する羊・牛といった一次産業の生産施設と、それらを加工してチーズやビールを作る二次産業の施設と別れ、それそれの商品価値が異なります。
依頼ではそれら生産物を要求されますので、市場から買ってきたり、自分で生産できるように施設を建造したりと、ラウンド中ではそれぞれの行動目的でもって動いていきます。これがまあ、マップ上を少しずつ広がっていくのでかわいいんですよね。
商品がお金でやりとりされると、それぞれの商品価値が変動します。売れば安く、買えば高くなります。今後の需要を見越してコントロールしていく、というのもまたこのゲームでは大切な要素となってきます。
ゲームを進行して、何もできない、またはもうコレ以上行動をしたくないと思ったらパスを宣言。まだパスをしていない人たちでゲームを進行し、全員がパスを宣言したらラウンドが終了。ラウンド終了時に各生産施設が可動し、畑からは麦が、その麦をビールに任意で加工、といった処理が行われます。
また、ラウンドごとに点数になる行動が示されていますので、それをにらみつつ、ラウンドに即した行動を行っていくのが大切になってきます。
ゲーム感想
ぱっと見、というかベースになったゲームシステムはほぼほぼテラミスティカですが、遊んでみるとまあ全然別のゲームになっています。依頼達成という要素と、レート、そして生産物の加工という要素が色濃くゲームに影響しているのが伺えます。
本作は基本的に重量級で、要素も多く、考えることも多いのですが、遊び始めるとプレイ中のルール自体は意外なほどシンプルであることに気づいて驚くと思います。1つ1つの処理が例外しょりなく、一本化されていますので、ゲームが始まってしまえばマップの広がりを感じ、没入感を高めてくれるでしょう。
個人的にはウヴェ作品、特にオーディンやアルルの丘に近いプレイ感を受けました。農作物を取り扱う、というのもそうなんですが、それを加工して依頼達成するという感じがこう、なんかほのぼのして好きですよ。
小さなコマはクオリティも高く、ゲームの進行はゆるやかなようで、実は結構きつきつ。そんな中でどのように手を進めていくのか。これが非常に難しい。とはいえ、この世界観に引かれる、重量級というのにひるまないのであれば遊んでみるのをオススメします。様々な氏族の強さも抑えられていますし、様々なプレイスタイルを試せる研究しがいのある作品なのではないでしょうか。
もっと踏み込んで
で、ちょっと踏み込んで本作を遊んで思ったことをちらほらと。本作はテラミスティカをベースにはしていて、1つ1つの要素はすごく似ているのですが、ゲームの本質は違います。なんというか、読めないんですよね。テラミスティカでは、要素はあくまでマップ上と、それぞれのリソースでゲームが完結していました。点数リソースは基本的にラウンドタイルで管理されていますし、マップ上に陣地が今どういう状況であるのか、というのが何よりも大切でありました。そういう意味では、大規模になった将棋、といってもまあ極端ではありますがアリかなと。
しかし、本作は前述したように、依頼達成、レートという要素があるんですよね。点数要素にもこのレートは絡んできますし、最終的に持っているお金や成果物も点数になります。これらが互いの点数を読みづらくします。ラウンドタイルもあるにはあるのですが、それにプラスされるアルファがとんでもなく大きい。
また、船の要素もあるんですがこれがまた厄介で、土地を変更する必要がないというのもあって後半は本当に飛び地がしやすい。そして、陣地的なロンゲストは飛び地の数で決まるため、陣地取りというよりも単純にどれだけ飛び地ができるか、建物を建てられるかに終始する。
そして最後に建物の種類。これもまた多い。何が立つのか、どこに立つのか。この予測が非常に立てづらい。
他プレイヤーの建物の横に施設を建築すると、割引して成果物を購入できるという得点があるため、計画的な行動がどうしても必要なのだけれど、欲しい時に欲しいものを獲得できるのか、というのはもうここまで来ると運が強いかなとも。
そういった意味で、本作はガチガチに組み合うまで非常に経験値が必要になるかなと。特に初見プレイ、特にゲームをやりこんで相手を読むというプレイヤーは困惑するかと思います。自分が何をしていいのかわからない、どれが正解かわからない、どうすれば得点行動になるのか、他人がどう動いてくるのか、というのが他のゲームに比べて読みづらいなと感じましたよ。あまりにも要素が多いんですね。
そういった意味で、本作はテラミスティカフォロアーではないなと個人的には思いました。テラミスティカが持つ、行動最適化という要素と基本システムにスポットを当て、その上に要素どっさり私が好きなの乗っけました、という感じかなあ。逆に言えば、繰り返していくほどやり取りに深みが出てくるということ。そういうの、皆さん好きでしょ?
そんなわけで、やり込むほどに味が増していくゲームで間違いありません。農作物がぽこぽこできていくのは楽しいですし、依頼達成のために計画をたてていくのも本作にしかないワクワク感があるでしょう。テラミスティカと似たルールだと聞いて興味が湧いた方も、その逆の方も、別の遊び味がしっかりありますのでぜひともチャレンジしてもらいたいと思いますよ。
名前 | クランズオブカレドニア (Clans of Caledonia) |
デザイナー | |
---|---|---|---|
おすすめ度 | ★★★★☆ | ルール難易度 | ★★★★☆ |
運要素 | ★★☆☆☆ | 知略・思考要素 | ★★★★☆ |
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