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物資を運び、資源を求めるためにひたすら拡大を繰り返す「カタン アメリカの開拓者たち」レビューと感想

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カタン アメリカの開拓者たち
おすすめ度:★★★☆☆
ルール難易度:★★☆☆☆
運要素:★★☆☆☆
思考要素:★★★☆☆
プレイ時間:120
年齢:12歳~
プレイ人数:3~4人

ボードゲーム「カタン アメリカの開拓者たち」は、ボードゲームの大ベストセラーである「カタン」のバリエーションで、アメリカを舞台とした鉄道による物資輸送とカタン独特の拡大再生産が融合したガッツリ取り組めるゲームとなっています。

まず目を引くのが広大なマップと、既に印刷された土地の数字です。土地もある種類の物がひとまとめになっており圧倒されます。このマップを使い、自分達の色の街を置きつつ鉄道網を広げ、物資をどんどん運んでいくことになります。

全体的な基本的なルールはカタンと同じ。街を角に置くと、そこに隣接された土地から資源が産出される。7を出すと盗賊が動く&8枚以上カードを持っていたら半分に減らす・・・etcetc。通常のカタンと違う点はいくつかありますが、それもそこまで難しい要素は特にありません。

まずプレイヤーは初期に街を三件、その内の一件から鉄道を一本延ばしそこに列車を持っております。あとは手番にダイスを振り、資源を貰いながら開拓していくわけですが、このゲームに勝利点といった概念は無く、勝利するにはそれぞれに割り振られた「物資」を全て列車によって届ける必要があります。

物資を届けるには、鉄道を延ばして自分以外の他の街に繋げてそこへ列車で行けばOK。鉄道は自分の街に繋がってればどこにでも引け、他のプレイヤーの鉄道の先でも構いません。

列車を動かすには石炭が必要で最大三マス。他人の鉄道を渡る際には動き始めることに一金必要になります。

次に街を増やす手段ですが、カタンと違い、まずは資源によって「幌馬車」を作成、小麦によって移動してマップ上に街の名前が印刷された場所まで移動すれば街コマを幌馬車と入れ替える事が出来ます。鉄道を引く必要はありません。これによりどんどん開拓が進んでいくわけですね。都市への発展といった要素はなく、どの資源を重視していくのかは開拓の仕方により変わってきます。

あとは金を使い資源カードを引いたり、資源が出なかったらお金を得たり、サプライとの資源トレードは3:1で良かったりと、様々な救済処置が取られている点でカタンとちょっとした違いが付けられています。

中々バランスよく作られているなと思います。感覚としては「カタンの基本ルールを使った別ゲーム」といったもので、正しい意味でカタンバリエーションとして存在しているのかなと。カタンは好きだけれど、このルールを使った全然別のゲームを遊びたい!! といった方にはオススメだと思います。

ちょっと変な言い方になりますが、このゲームにカタンを求めると遊び方の違いに戸惑うと思います。発展カードのコストは安いし、ロンゲストは無いし、都市発展はなくひたすら拡張を繰り返すというゲーム性があるし、という感じで。単純に「カタンアメリカ」というゲームだとみると、独特な遊び味のあるゲームだなと感じます。

序盤は街コマを置きながらひたすらに拡大を繰り返しつつ、鉄道網に必要な資源構成が出るように拡張していき、資源出力が安定してきたら一気に形成していく。という産業革命をみているかのような資源の移り変わりを体験できるゲームです。沢山の街を置いていくのでダイスの偏りもあまり気になりませんし、どんどん伸びていく鉄道網にワクワクします。

二時間という中々にガッツリした重量級ゲームとなっていますが、遊ぶ価値は十分にあるなと感じました。

これまでのカタンとはひと味違う重量感、カタンの基本ルールを使った別ゲーム、鉄道と拡大、必要資源の移り変わりのマネジメント。これらの用語にトキメキを感じるなら面白いかなと思います。カタンとはまた違ったゲーム全体を見通す力が必要となりますので、誰にでもお勧めできるゲームとは言えませんが面白い作品でした。オススメです。

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