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ボードゲーム和訳・ルールブックを執筆する上で役に立つ本・教材まとめ

      2018/02/15

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ボードゲームを和訳する上では、様々な知識や技術が必要になりますが。ともあれ一番大切なのは言語に関する知識であるのに間違いありません。

今回は私が色々触ってきた中でこれだ、という本を中心に紹介しますよ。

実際の作業としてボードゲーム翻訳に関する記事はボードゲームルール翻訳に必要な手順総まとめ – Board game every dayをどうぞ。

日本語

ともあれ、そもそもルールブックを和訳するにあたり、一番書くことになるのは日本語の文章です。そういうわけで、日本語での文章作成の本を紹介します。

母国語くらい誰でも書けるわ、と言う方も多いでしょうが、逆に聞きますと「あなたはこれまで日本語の勉強をしてきましたか?」ということです。学校で「国語」の授業はありますが、その内容はちょっとした小話を読んだり、その読解をしたり、二ヶ月に一回程度の作文を書くくらい。大学生になって「レポート」の作成をして先生に「書き方がなってない」と怒られたことはありませんか? というわけで、小説やブログなんて書かなければ、「人に読んでもらう文章」というのを私たちは実際、ほとんど書いたことがありません。

ボードゲームのルールを、誤解なく、的確に、明確に人の脳に伝える、というのは様々な技術が必要です。単語を選ぶセンス、それらを配置する技術、読点句点の配置、1つの文章でどこまでの情報を詰め込むのか。それらについて一度でもいいので考えたことはありますでしょうか。意外と、この部分について教えてくれる教材は無いです。

そういわけで、「日本語を誤解なく相手に伝える」ということについて、技術を総まとめして一冊に収めた本がこちらになります。例えば「美しい黒い瞳の少女」という文章があったとして、「美しい」は黒い瞳にかかっているのか、少女にかかっているのか。どちらとして受け取るのか、というのは読者に委ねられます。これを文章として相手に的確に伝えるには、黒い瞳が美しいなら「黒い瞳が美しい少女」と、美しい少女なら「黒い瞳で(な、の)美しい少女」といった言葉選びと入れ替えが可能でしょう。

この本は、文章が伝える相手への印象はとりあえず脇に置き、文章が本来伝えたい意味を明確に伝える、という点を重視して、言葉選びや入れ替えの解説をしてくれます。読み返すたびに色々な発見がありますので、文章を良く書くという人には必須な一冊なのではないでしょうか。

こちらは技術書というよりは読み物に近いです。この世にはここまで「わからない日本語の文章があるのか」と驚くことうけあいです。この本で実際得られる技術はありませんが、読み物として単純に面白いですので興味がありましたら読んでみてもいいと思います。

英語初心者向け

まったく英語を読めない人向けの本を紹介します。私も言える単語は「nice」と「gj」と「gg」程度で、文章なんて全くと言っていいほど読めず書けませんでしたが、こうして元気です。英語を「書く」には様々な知識が必要ですが、読むということに関しては、実はそこまで知識が必要なわけではありません。最低限のルールを理解していれば、ある程度読めるようになってきます。

特に、ボードゲームのルールブックは明確に相手に伝える事を主としていますので、詩的表現が無く、頻出単語しか基本使いませんので、繰り返し同じ表現が出てきて学習にピッタリです。

というわけで、「読む」とっかかりに個人的に一番良いと思ったのがこの本です。簡単な例文をゲーム感覚で繰り返し教えてくれます。この本を読み、和訳作業をやって、ルールブック一冊を終えた後にもう一度読むと、ほぼほぼ英文が読めるようになっています。小難しい解説などなく、とにかく読むことに関して最低限の手ほどきをしてくれます。それに特化しているからこそ、すぐに身につきます。難しくないので、英語学習の一歩として本当におすすめです。

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読む取っ掛かりができたら、実際に英語に出てくる専門知識の取っ掛かりを作るべきでしょう。疑問文とか数とか接続詞とかなんかようわからんそこら辺です。この本でとりあえず触りだけでも触れていると、できた気になって苦手意識がなくなります。苦手意識をなくすのは大事です。そのままモチベーションに変換する事ができますので、今後本格的に難しい本に手を出したり、検索する時の億劫さがなくなります。そういう意味でこういった漫画で~とか、サルでも~系は一冊は持っておくのがオススメ。このシリーズは漫画ですしタメになるし繰り返して軽く読めるのでおすすめです。

漫画という意味でこちらもオススメ、セリフが全て日本語と英語の両方で書かれています。私はこれを読みながら直接単語の意味を書き込んだりしてメモ帳みたく使っています。普通に物語としても面白いので、繰り返し読めますし、こういうのも多数出ていますし探してみると良いですよ。

中級~

中級というか、和訳作業になれてきたら、ですが。

ある程度ルールブックを和訳してくると、単語力と文章読解力のなさに気づいてきます。とくにフレーバーテキストを和訳していると脳みそが痛い。というわけで、本格的に英語の勉強に移りたい。という時にオススメの本を紹介しますよ。

この本はなによりもオススメです。英語における、それぞれの単語が持つ「感覚」を解説してくれます。私達が普段喋る言葉の1つ1つの単語について、どういった意識が込められているのかというのは自分たちですらよくわかっていませんが、英語を読み解く上ではそういった無意識の認識を理解して読み解いていくのが大切になってきます。この本はそういった基礎から言葉の持つ感覚を丁寧に解説しくれます。まだ英語をよくわからない段階で読むと簡単にパンクしますが、ボードゲームのルールブックを5冊程度和訳した程度、ある程度ルール部分がさらさらと和訳できる程度になったら目からウロコが落ちすぎること請け合いです。実際、私はこの本で大事だな、と思ったページの耳を折り曲げまくってたら結局ほぼ全ページ折り曲げてしまって何の意味もなくなりました。それくらい濃い内容なので、丁寧に読み解くのをおすすめしますよ。

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duoです。ド定番です。英文を読んで、その単語解説を見て、諸々覚えて英語力をあげよう、というコンセプト。売りは1つの英文にこれまでに出ていない単語が多数必ず入るので、全て暗記すると頻出英単語を網羅出来るという所。ただ、個人的には取り扱っている英文の難易度がちょっと高いです。ことわざ的だったり慣用句がポンと入るので、ちょっと読み解くのが時間かかります。というわけで中級からになります。

あと、個人的には、極論ですが「英語を和訳するのに単語力は後回しで良い」と考えているので、duo他、単語系の本は中級以降にまわしています。PCで作業するなら、英単語は辞書引きがすぐできますし、まずはガシガシ読んでいくことが大切だと思うからです。単語を覚えることがやっていると、いつまでたっても作業できませんからね。感じが読めなくてもなんとなく文章の意味がわかる精神です。

音声教材としてはこちらがオススメ、英単語、簡単な英文、意味と、淡々と流れてくれます。特に英文が短く簡単なのが良いです。変に長くて該当英単語がどこにあるのか、どんな意味なのかわからないって感じだと意味ありませんからね。英文が流れた時に頭の中で文章を想像して、即興で和訳する、というのを繰り返すと良い練習になります。英単語を覚えるというよりも、翻訳の反復練習にももってこいです。これである程度自身がついたら、duoにも音声CDがありますので、そちらに挑戦する、という形にするとステップアップができるかと思います。

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基礎が英文の繰り返し、復習が英文を淡々と次々流してくれます。上記使い方だと基礎編がオススメ、duoを一通り頭につめた状態で口に覚えさせたいなら復習編がオススメといったところでしょうか。用途に合わせて採用すると良いと思います。

こちらもド定番。ドリル形式で穴埋めしていけば英語力が上がるよ、的なコンセプト。英語系の試験をやるなら別ですが、正直、個人的にはここまでキッチリやる必要はないかなという気もします。それよりもガシガシ英文読んでわからないのを回りに聞いて回るのが手っ取り早いよとも思います。何事もキッチリやりたいよ!! という方はこの本を始め、教材は沢山ありますので、ここから色々手を出していくのが良いのではないでしょうか。

というわけで、色々紹介しましたが、とりあえずボードゲーム和訳だけをしたいのであれば、今は翻訳サイトが色々ありますし、これら教材を買わなくてもある程度の精度で翻訳はできると思います。

いい時代ですね、学習コストもぐんぐん低くなってきてて、大変うれしいです。皆さんのオススメなどがありましたら、twitterに生息していますので教えてくれると嬉しく思います。それでは、良い翻訳ライフを。


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