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チーム戦が抜群に楽しい戦略と特殊効果の絶妙なバランスのカードゲーム「アルケミストラグル」レビューと感想

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アルケミストラグル
おすすめ度:★★★★☆
ルール難易度:★★☆☆☆
運要素:★★☆☆☆
思考要素:★★★☆☆
プレイ時間:20~40
年齢:7歳~
プレイ人数:2~4人

カードゲーム「アルケミストラグル」は数字を使った簡単なカードの出しあいですが、チーム戦だからこそ起こる無言のやり取りが抜群に楽しいゲームとなっています。

ゲーム概要

まず、四人プレイの場合は二人一組のチームとなり、間に敵チームの人が入るように座ります。

カードには2~20までの数字が書かれており、手番の人はここから一枚、もしくは二枚のカードを出します。二枚のカードを出す場合はカード同士の数字を掛け、さらにその数字が20以下じゃないといけないというルールがあります。

親がカードを出したら、時計回りに順番がまわっていきます。この時、手札から親が出した数字を一枚ないし二枚(掛け算)で出せない・出したくない場合はパスして次の人に手番を回します。

カードを出した場合はそこで一旦処理をやめ、カードを出した人が新しい親となりカードを出します。

誰もカードを出せずに親まで手番が回ってきた場合はまた親が手番となりカードを出すことになります。この時、いずれかのカードを一枚裏向きにカードを出す事ができます。

最終的に手札のカードを全て出しきったプレイヤー、チームのラウンド勝利となります。

面白いのは点数ルールで、カードを出しきったプレイヤーのカードを見ます。カードには魔法陣アイコンが記述されており、その合計数がダメージとなり相手に与えられます。裏向きになったカードは全て1魔法陣となります。21点以上のダメージが蓄積すると敗北。最後に勝ち残ったプレイヤー、チームの勝利となります。

ゲーム感想

日本の古典ゲーム「ごいた」の流れを組んだカードゲームとなっており、中々に深い戦略性を持ったゲームとなっています。「ごいた」との違いを先に説明すると、基本的なゲームプレイをわかりやすいカードの出しあいにしたことで二人〜四人まで基本的に変わらないルールで遊べるようになり、さらには親が出した数字と同じものが用意できればいいので例えば「12」という数字に「12」一枚でも、「2,6」の二枚でも、「3,4」の二枚でも受ける事ができるという戦略上の親連続手番による積みが無くなった事が挙げられます。

どちらが良い、というわけではなく、しっかりと「ごいた」との差別化を図りつつも、様々な特殊効果カードによる派手で最後まで逆転の可能性があるパーティー感とほどよい戦略性が同居した別のゲームに仕上っていると思います。

さて、本作単体でゲームを見ていくと、先にも説明したように出した数字に対して様々な「受け」が存在しているため、ゲーム後半になるまでどういうふうに相手のカードを削っていくのかという戦略性をまず感じます。

数字の低いカードは掛け算の材料になるため汎用性が高いですがその分攻撃力が引くく、バンバン使っていくのも考え物だし、攻撃力が高い大きな数字は出すタイミングが合えば連続親手番のチャンスにも。どのカードを出しながらゲームを組み上げていくのか。そのジレンマが面白いです。

特殊カードにも様々なものが用意されており、いざという時に強力な効果を発揮します。これがまた、なんとも盛り上がるように出来上がっているんですね。

カードの配分にも気が配られており、カードも場札はほとんど開示されていますので、カウンティングがしやすく、かなり戦略的に振る舞えます。

ただ、掛け算を頻繁にするゲームではありますので、少しテンポが崩れがち、パッと戦略が組み上がりにくいといった部分もあります。

とはいえかなりのクオリティを感じられる作品なのは確かですし、何度も遊べるカードゲームであると思います。全体的な絵柄も統一感があって遊んでいて実際に戦っている感を十分に味わう事ができます。

ちょっと変則的なカードゲームに興味がある、ごいた系、チーム戦が好きな方にはオススメな作品となっています。

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