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お世話になってるサイコロ堂さんの通販ボードゲーム

サイコロ堂vsコロコロ堂、ゲームマーケット2018年秋対決

      2018/11/23

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ゲームマーケット2018年秋、そこにゲームを出すことになったサイコロ堂店主、そしてお手伝い兼暇つぶしという名目でついていく私、二人は頭を抱えていた。

ゲームを出すのはいい。エッセンは楽しかったとサイコロ堂店主は言う。委託ブースも押さえた。しかしだ。片日だけだ。土曜だけっ・・・・! 圧倒的な不安が彼に圧し掛かっていた。

「1日だけで、大量のエッセンゲームを売れるのか?」

売れなければ、大量の在庫を抱え、沖縄にゴートゥー島国しなくてはならない。我々はあせっていた。端的に言って回答は否であった。ゲームマーケットは魑魅魍魎の跋扈する世界だ。数多のドージン・サークルが丹精を込めたゲームを出してくる。宣伝もすごい。ノープランでいけば南無なお陀仏は必然であった。

「そうだ、コロコロ堂だ」

彼は名案とばかりに顔を上げた。その顔は明るかった。暗闇の中で蜘蛛の糸を見つけたかのごとく。

「ああ、そうだな・・・、そうだね」

私はそう返すしかなかった。

私は名前が似てるだけでサイコロ堂店主がコロコロ堂に突っかかり、毎年のように敗北して逃げ帰ってきているこれまでの遍歴を知っている。そして、コロコロ堂はいまやボードゲームカフェ界でもその圧倒的ハイセンスでもって知られている。ゲームマーケットでも企業ブースで両日出る。あ、ブースは「B-09」で売り切れ必須のすごいもの出すみたいなんで要チェックです。かたやサイコロ堂は、沖縄の隅っこで「いつストーブを出そうか」と餅を片手に話す日々だ。差は歴然であった。

名前が似ているから。それだけの理由で、細い関係性を感じ、それにすがろうとする彼を、私は止めることはできなかったのだ。コロコロ堂の人たちは懐が広く、やさしい。きっと話くらいは聞いてくれるだろう。そう思った。

とどのつまり、私も見通しの甘い、荒野でミルクシェイクが飲めると信じている、そんな愚か者だったのであった。

そして我々は来た。トーキョーに。魔都へと。見るものすべてが大きく、人々は多く、我々は場違いな存在に違いない。歩きながら、思わず写真を撮ってしまう。無意味なその一連の行動は、これからの不安の表れに違いなかったのだと、いまになっては思う。

コロコロ堂にはアポは取った、サイコロ堂店主いわく「今日行く」と言ったらしい。大丈夫だろうか。

口ではなんとでもいえる。彼の目は笑っていなかった。ゲームマーケットでの成果が、彼一人の肩に圧し掛かっていたのだ。私はあくまで手伝いであり、言ってしまえばただの出歯亀野郎にすぎない。そんな男が彼にかけてやれる言葉はない。

そして到着した。名前が似ているだけで突っかかった相手は大きくなり、会社となっていた。方やアルバイトで店を回し、方や2つ以上のオーダーが入ると途端にテンパる日々。差はこの時点で歴然としていた。それでも、挑まなければならない。

――彼はそのために来たのだから。

中は圧倒的お洒落空間であった、照明は明るく、ゲームは見やすく陳列され、お客さんたちも朗らかにゲームを楽しんでいる。静かでありつつ、決して寂しいわけでもない。和やかな空気。

飲み物からしてお洒落だ。私はそこで写真を撮るのをやめた。我々、いや、彼は今日、勝ちにきたのであった。決してハイセンス・オシャレカフェに滞在して「うーん俺はジンジャーエール☆」とかしにきたわけではないのだ。

話もついたようだ。コロコロ堂を代表する3人が揃う。

彼は勇敢であった、とここに記しておこう。コロコロ堂を前に、言うことを言い、勝負の場に引き摺り下ろした。

題目はクラスク。ボールをはじいて相手のゴールへと落とすアクションゲームだ。相手のフィールドで、相手の出したゲームで戦う。不利なのはしかたがない。こちらが無理難題を言っているのだから。

ただ、私は単純に不安だった。彼は不器用であった。自分の手元が見えていない畑の人間であることを、私は知っている。携帯を1日に一回落とす。そんな男が果たしてコロコロ堂をここまでビッグにした男たちに勝てるのであろうか。

いや、我々はそのめにきたのだ。

信じなければならないだろう。彼を。沖縄というと日本の隅で、ボードゲームカフェを一人で開き、ライバル店が多数オープンするもその場を守り続けた、不動の男を。

(笑)

彼は一人目に負けた。手元がおろそかであった。穴にはまり、ボールに追いつけず、白駒を自分にくっつける。おおよそすべてのミスを満遍なくやらかし、負けた。

彼は今負け犬だった。餌のとり方も知らずにほえ続けたズタボロの犬だ。

しかし、少なくとも、彼は負け犬の吼え方は知っていた。

噛み付ける相手を瞬時に見極める力に彼は長けていた。

私はそれを卑怯だといわない。力を持たないものが死ぬ。沖縄では常識だからだ。

「成ったマンゴーはもがれる」

今、まさにそれが起きている。

そして彼は勝った。緊迫した試合であった。ラリーは続き、互いに譲らぬ戦いであったと記しておこう。彼は相変わらず全てのミスをしたが、相手もまた、満遍なくミスをした。

最後、ぎりぎりの所から踏ん張り、逆転を収めた彼の顔は明るかった。その様子の全てをここに記しておきたいが、私も眠たいし、そろそろこの記事を完成させて自分のことをしたくなってきたからだ。ネットカフェの暖房はちょっと効きが弱く、寒いのもいただけないな。キーボードにも不満が残る。

物語はいつだって、物語たるための展開を用意してくれる。彼は3人に対して、負けて、そして勝った。残りは一人だ。

ぎりぎりで次への切符を手にして、表情は明るい。調子に乗ってコーヒーを頼み、手元がおろそかな彼は見事に即こぼしていた。まるでこれからの彼自身を暗示しているようだと、私は、そう思いながらもごまかすように笑うしかなかった。

そうして最終試合が始まった。

最終決戦は動画でお送りしよう。不慣れな私の撮影で悪いが、言葉で語るよりも、明確にその空気を伝えてくれるだろう。

彼は結局負けた。

負け犬は負け犬のままだった。彼は肩を落とし、ひざまずいた。

敗者は敗者の戦いがあるのだ。

そういうことになった。

彼を信じた私もまた負け犬になった。二人で仲良く首に敗北主義の札を掲げながらゲームマーケット当日を迎えることになるかもしれない。それもまた、思い出の1つになるだろう。

魔都、トーキョー。そこに凄む数多のカフェでも、無謀にもコロコロ堂へと挑んだ彼を、私は決して笑わない。次こそは勝つ。その捨て台詞に、私も大きくうなづいて夜のコロコロ堂をあとにするのであった。

彼の手は震えていた。私はそれを見ないようにした。夜のトーキョーは明るく、輝いていた。

そういうわけで、サイコロ堂は両日、ゲームマーケットへと委託という形でゲームを売ります。

鉄道、ラーメン、そして、猫。

どれも一癖あるゲームたち。数に限りがあり! 負け犬サイコロ堂店主が丹精を込めて選んで一癖もふた癖もある作品ばかりです。遊びに来るのもよし、もちろん買うと我々がうれしい!

土曜日はボドパスでおなじみ「ボドっていいとも!」土-L29-30 にて、
ボドっていいとも!

日曜日は快く戯れてくれたコロコロ堂さん両-B09 にて、それぞれ委託販売ができることとなりました。
コロコロ堂

遊びに来てくれよな! どちらのブースも早く行かないと売り切れ必須のナイスアイテムを取り扱うので要チェックです。

お品書きについてはこちらもどうぞ!!

ゲームマーケットお品書き


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