ソーシャルゲーム「FGO」開発などの「ディライトワークス」が「ラブレター」などのボードゲームデザイナー「カナイセイジ」とのコラボでボードゲームを出すので内容を推測してみたよ記事(長い
NEWS : ゲームマーケット支援ツール「ゲームマーケットチェックするやーつ」を作りました。
もい!
当サイトはボードゲームレビュー・コラム・ニュースのちゃんぽんサイトなので、スマートフォンとかパソコンとか、ましてやソーシャルゲームの話題などを出すこともないだろうなーふんふん、とか思っておりました。が、状況が最近変わってきました。PCゲーム原作のボードゲームが発売され、海外ではアニメやアメコミを原作としたボードゲームがバシバシと出て、日本発のゲームが逆にデジタルゲーム化などなど。アナログとデジタルがどんどん近くなってきた印象です。
そして今回、デジタルゲームファン、アナログゲームファンどちらにも衝撃的なニュースが飛び込んできましたよ。ソーシャルゲーム「Fate/Grand Order」の開発で知られる「ディライトワークス」さんと、カードゲーム「ラブレター」などで知られる「カナイセイジ」さんがコラボしてボードゲームを出すというのです。
カナイセイジ×ディライトワークス・オリジナルボードゲーム2作品の詳細発表
それぞれの作品は、全国のボードゲーマーたちの集まるイベント、「ゲームマーケット2018年秋」にて出展され、いち早くゲットできるかもしれないチャンスがあるようです!
『ゲームマーケット』公式サイト | 国内最大規模のアナログゲーム・ テーブルゲーム・ボードゲーム イベント
Fate/Grand Orderって何
とはいえ、まずは紹介でしょう。「Fate/Grand Order」って何、というアナログゲームファンも多いでしょう。デジタルゲーム、特にソシャゲファンからしたら、「おいおいまじかよ、今までどこでなにをしていたんだ? ノースダコタにでも潜んでいたのか? こいつにとっておきのうどんを食わせておきな!!」と思うかもしれません。けれどもグッドスレイブたるもの、新たなスレイブを引き込めるチャンスです。ここは軽く紹介し、楽しい「Fate/Grand Order」に興味を持ってもらうことも大切だと思うんだワン。
Fate/Grand Orderは、「Fate/stay night」というPCゲームを原作としたスマートフォンで楽しめるソーシャルゲームで、世界が歴史改変によって消失してしまうのを、歴史上の偉人たち、サーヴァントの助けをかりつつ防ぐために奮闘するゲームとなります。
ストーリーに非常に力を入れていて、シナリオの文字量は圧倒的。偉人たちが歩んだ自身の世界、その歴史が無くなるのを否定するために奮闘します。たとえそれが敗北して、恥辱にまみれていたとしても。シナリオはどんどん進行し、期間限定のイベントでは物語上重要な設定がぶっこまれ、シナリオでは語られない各キャラクターの設定から世界観を考察するなど、ゲームをプレイするだけには留まらず様々な楽しみ方ができるゲームとなっています。
その人気はすさまじく、世界展開はもちろん、台湾ではシナリオの節目に実際の街1つがハックされ、そこかしこに名状しがたきオブジェクトが乱立し、とある場所にはファンたちが集って1つの”終わり”を共有しました。また、アニメ展開も計画されていて、映画とTVアニメにて制作されるのだそうです。やあ、すごいですよね。
スマホでフェイト!|Fate/Grand Order 公式サイト
中央のキャラクターはアーサー王伝説のアーサー王、アルトリア。なんで女の子なんだ? という考察をし始めてしまったらもう沼。歴史の偉人、世界改変、う、頭が。興味が出たら遊んでみるのをおすすめしますよ。
ディライトワークスはそんなめちゃすごソシャゲアプリ「Fate/Grand Order」を開発・運営している会社さんで、社内にはボードゲームカフェがあり、ジェリカフェが関わっているそうです。
ラブレターってなに
「Fate/Grand Order」の紹介をしたら「ラブレター」の紹介もしましょう! 我らが日本がほこるボードゲームデザイナー、カナイセイジの代表作、「ラブレター」を!!
ラブレターはもともと同人ゲームとして発売され、たった16枚のカードで、短時間で遊べつつ、濃密なプレイ体験を得られるとして、各所で話題となり、あれよあれよというまに商業展開。海外でも注目され、様々なバージョンが展開され、アニメ・漫画コラボはもとより、ボードゲームの本場、ドイツにて年間ゲーム大賞にノミネートされるという快挙を得た作品です。
手札はたった1枚。手番では山札から手札を1枚引いて、1枚プレイして効果を適応する。これを繰り返すだけ!! 巡っていくカードから、見事姫を探し出し、ラブレターを届けることができるのか。はたまた、邪魔することができるのか。それぞれのプレイヤーの思惑は絡まり、ドキドキしたゲームプレイが楽しめます。
最近はSTEAMでも配信され、PCでも楽しむことができるようになりました。
私が知っているものだけでも、英語版、中国版、ブラジル版といった言語バリエーションの他に、クトゥルフを題材にした「ラブクラフト・レター」、バットマン、スターウォーズ、漫画宝石の国とのコラボ版、おそ松さんともコラボしました。やあ、すさまじいですね。軽く情報サイトを除くと、基本である「ラブレター」だけで、50種類近くの言語やパッケージを変えたバリエーションがあるらしいです。
アークライト
どんなゲームを出すのさ
今回出すのは二作。『The Last Brave』と『CHAINsomnia~アクマの城と子どもたち~』とのこと。
「Fate/Grand Order」自体のフィギュアチェスボードゲームも最近出しましたが、そちらはもう皆さん知っていたり、情報が各所に出ていますので、今回は横においておきましょう(ごめんね、なすびちゃん)。
今回発表されたのはこの二作ですね。『The Last Brave』 のイラストはラブレターと同じ人でしょうか。パッケージからはいつものカナイセイジ作品といった感じ。一方で『CHAINsomnia~アクマの城と子どもたち~』は、かわいらしいイラスト。
この時点で、ボードゲーマーは「The Last Brave」に興味をひかれる人が多いのではないでしょうか。なによりもパッケージの時点で「デザイン・カナイセイジ」と記述されています。
引用しましょう。
『The Last Brave』は、カナイセイジ氏(カナイ製作所 代表)がゲームデザインを手掛けた“勇士創像バトルロイヤルカードゲーム”です。約2400通りのキャラクターの組み合わせと、ゲームの序盤と終盤で大きく変化する戦況を見極めて戦う戦略性が特徴です。
『CHAINsomnia~アクマの城と子どもたち~』は、ディライトワークスが企画・開発を行い、カナイセイジ氏と白坂翔氏(JELLY JELLY CAFE代表)が監修した“探索×協力型脱出ゲーム”です。プレイヤー同士で相談し、助け合いながら進む戦略性や、ランダムで生成される城のマップなど、何度でも新鮮な感覚で遊べることが特徴です。 最新情報 | ディライトワークス株式会社
やはり、それぞれでゲームデザインが違うのですね。
新入社員が開発したゲーム『CHAINsomnia~アクマの城と子どもたち~』
2018年の新入社員さんが開発し、その監修をカナイセイジさんとボードゲームカフェJELLY JELLY CAFE代表の白坂翔さんが行ったとのこと。強力型ということで、ゲームクリアを目指して、皆で相談しながらゲームを進めるタイプみたいですね。エンディングが複数用意されていて、高難易度とのこと。これは、燃えます!!
キャラクターを選択し、タイルを引いていくことによってマップが生成されていき、その中を探索していくなかでアイテム、能力、イベントを解決していく。といったような協力型ゲームの定番を手堅く抑えている印象です。可愛らしいキャラクター、カードテキスト、と、TCGの雰囲気もちょっとあるかもしれませんね。ルールブックは20ページを超えていて、かなりガッツリなゲームの印象です。
ボードゲーマー向けへの説明としては、パンデミックやフラッシュポイントといったデッキ切れ負け、途中にエピデミックがあるアクションポイントを消費しながら探索する協力ゲームといえばすんなり楽しめると思います。
プレイヤーたちは館の脱出を試みる子どもたちの一人となります。手番では、アクションポイントを消費することで、移動したり、アイテムを獲得することができるようです。アイテムを消費したり装備することによって有利になっていきます。移動によって館を移動しながら、有利になるように状況を進めていく必要がありますね!
プレイヤー全員が行動したら、敵が行動します。イベントが解決され、どんどん不利になっていくようです。
厳しくなっていく状況に、皆でちからを合わせて、相談しながら、わちゃわちゃとしたゲームプレイが展開されそうです。
カナイセイジがデザインする『The Last Brave』
カードを組み合わせてオリジナルの戦士を作り出し最強を決める。組み合わせ無限の対戦ゲームのようです。プレイ人数も多い!
勝利条件は自身以外の全員を倒すこと。シンプル。力、強い、俺、負けない。
10分程度で楽しめるシンプルめなゲームの印象です。カード4枚だけを使用して、自身の戦士をマネジメントする。どの順番で、どのカードを切っていくのか。だれと戦っていくのか。そのシンプルな読み合いが熱い展開を予感させます。
基本的にはテキスト効果によってゲームが作られていくように見えるので、この時点では具体的にどういったゲーム展開が起こるのかは予測できません。手番では自身のキャラクターの攻撃力を決めて、対戦相手を殴る、のみ。これを繰り返して勝利を目指します。チーム戦や特殊戦闘ルールがありますので、これを採用したらまた楽しいと思います。
単純な殴り合いなら手番数の多い方が勝ちますが、そんなゲームをカナイセイジが作るはずはありません。今の相手の状況から、手札を予測し、また、自身の手札を温存しつつ、生き残るために戦略を練る。そんなじりじりっとしたゲームになるのではないでしょうか。
思うこと
思うのは、カナイセイジさんは「ディライトワークス」さんから影響を受け、「ディライトワークス」さんはカナイセイジさんから影響を受けて、それぞれのゲームを作ったのではないでしょうか。
『The Last Brave』は確かに、シンプルで、カナイセイジさんの「ラブレター」とか、「Rライバルズ」といった対戦ゲームの匂いを感じます。一方で、「Fate/Grand Order」が持つ、互いの陣営の戦力を考え、コスト配分し、スキルを使い、相手の出方を予測していく。そんな戦略性、匂いのようなものを確かに感じるのです。
『CHAINsomnia~アクマの城と子どもたち~』はちょっとガッツリ目で、意欲的な作品に見えます。一見するとシンプルさはあまり無いように思えます。ただ、カナイセイジさんは過去にも「ウニコルヌスの騎士」などで重厚なストーリーを持つ、キャラクターたちの性格がゲームプレイを生み出す、そんな協力ゲームをリリースしているのです(「ウニコルヌスの騎士」はマニフェストディステニーというサークルさんとのコラボ作品。こっちもどちゃくそ面白い)。
「ウニコルヌスの騎士たち」: ★★★★☆
デザイン:Kuro
& カナイセイジ
どんなゲーム:ボード、移動・運搬、ファンタジー、RPG、協力、ファミリーゲーム、同人
プレイヤー:2~6人・12歳~
ゲームマーケット:2016年・秋
コラボ作品として、これほど「らしい」作品たちもないように思えます。
遊べる機会がありましたら、ぜひとも両作品が持つ、それぞれの匂い。そんなものを感じたいと思います。ゲームマーケット楽しみがより一層増えましたね! 財布の要領は大丈夫ですか? 私はもうからっけつの未来が見えます。是非もないね!