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拡大再生産ゲームの勝ち方と、そこから転じたボードゲームの作り方

   

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拡大再生産をコアに持つボードゲームには、明確な勝ち方、というよりも指針が存在する。大まかに2つのフェイズに分かれていて、ここでは基礎フェイズと攻勢フェイズという2つに分けて解説しようと思う。

なぜこのような話をするのかと言えば、この指針から外れるとうまく成長できずにゲームが崩壊するのはもちろん、そうして設計されたボードゲームもまた崩壊するからだ。

ゲームのプレイヤーは基本的に、そのゲームのルールを説明された時点で、そのゲームをどうやってプレイすれば良いのかを考える。もちろん考えない人も居る。そして、考えきれずに、ミスをするプレイヤーもまた居る。これは当たり前の話だ。

そして、当たり前だからこそ、それら全てのユーザーを一定の行動範囲に押さえて、ある程度の楽しさを提供してあげることは大切だ。それをガードレールや補助輪と表現したりする。これの是非については今回議論しない。今回の話のメインは、拡大再生産ボードゲームたらしめる要素を明らかにしていくことにあるからだ。

拡大生産のコア

拡大再生というメカニクスについて、基本的にある程度ボードゲームを遊んでいる人からすると「どんどん成長していってできることが増えていく」ことだと認識していると思う。その認識では間違いなく、このメカニクスは成長することによりできることが増え、それによる選択肢や大きくなっていく数字のやりとりの楽しさを感じられるメカニクスになっている。

というわけで、コアは成長だ。成長には何が必要かといえば、資源だ。ここではボードゲーマーにとってはメジャーなカタンを例にあげる。カタンでは成長するためには建物が必要である。建物を立てるには資源が必要で、木やレンガといった数種類のものを要求される。

じゃあこれを集める。集める中で、あなたにはいくつかの選択肢が与えられる。ここでは村を都市にするためにこのターンなにもしないでパスをするか、発展カードを獲得するかにしよう。発展カードを獲得すると、一時的なアドバンテージが得られ、このターンで実行できる。一方で、都市化は今後恒久的な資源増加が見込める。どちらの選択肢を取るか。

これはカタンを遊ぶ上で頻繁に突きつけられることになる選択だ。今道を立てるべきか、それとも次に村を立てるか。といったことも多いだろう。

ゲーム序中盤であれば、確たる正解はないが、基本的には成長につながる選択肢をするべきだ。直接成長につながる選択肢は、村を立てるか都市へと改良する、のどちらかになる。何故かといえば、カタンで何かをするのに必要な資源で手に入れるには、村か都市だからだ。カタンにおける成長の最も効率良い選択は村か都市、ということになる。

じゃあ後半であればどうか。ゲーム後半になるとマップは埋まってきて、ゲームを勝利するために必要な選択肢が必要になる。それぞれのプレイヤー、獲得できる資源が増えてきて、できることが増える。そうなってくると、村を立てる選択肢は必ずしも正解とはいえない。既存の村アップグレードはまだしも、村を建てるには道を二本引く必要があるからだ。道を二本引いて、村を建てる。それに要求される資源は単純計算で8枚となる。それだけの数の資源を獲得するには非常に大変だ。

というわけで、後半になると点数行動をメインとして考えていくのが正解だ。点数行動はその名の通り、点数のための行動だ。点数のために村を建て、都市を建て、カードを獲得する。成長するための行動から、点数のための行動に移る。

まてまて、最初から点数行動をメインにすれば勝てるのではないか? と考える人も居ると思うけれど、それは基本的には間違いだ。ゲーム序盤に発展カードを引いて、点数1点を獲得したとしよう。このカードは特になんの効果もない。傭兵なら盗賊を動かして自身の利を得たり、道カードなら道を引いて資源の節約もできよう。しかし、それらを得るためにもまた、資源を支払っている。資源を発展カードに交換しているという考え方ができる。資源を発展カードを得て手にするのは、基本的には一時的な利益だ。その時だけ場を少しだけ有利に進められる。

支払った資源だけ、あなたはそれを取り返すためにラウンドを過ごすことになる。

では村を建てるとどうなるか。村を建てるためにはもちろん資源が必要だ。道の分も合わせて結構な手間だ。けれども、そのあとに獲得できる資源のダイス出目は増え、リソース獲得のための機会は増える。1つの村から1ラウンドあたり資源2つ出たとしよう。10ラウンド続いたとして、獲得できる資源は20になる。これがカードを引くことにより、2ラウンド遅れたとすると、資源は16になる。この4をどう見るか。もちろん、事はそう単純ではない。途中都市化などが挟まれば、この差はもっと増えていく。

発展カードを引くこと自体は間違いではない。手札に余裕があり、獲得しても問題ないと判断できれば引けばいい。道も同じだ。問題なのは、引けるから引く、伸ばせるから伸ばすという考えで、それらの行動を選択してしまうことだ。

生産フェイズ

そういうわけで、拡大再生産における最初のフェイズ、生産フェイズの話をしようと思う。拡大再生産で大切なのは、1つの施設から手にいれる資源を、何回利用できるのかを常に考え続けることで。

1つの家から1コイン出るとする。ゲームが20ラウンド続くと、そこから獲得できる金は20だ。家を建てるのには2コイン必要とする。18コインのプラスと考えられる。じゃあ19ラウンド目で家を建てたらどうなるのか。2コイン払い家を建てるが、その家がこのゲームから生産される金はは1コインだけだ。つまり1コインマイナスだ。

この例えば単純だが、つまりそういうことだ。基本的に生産施設というのは勝利点数的には価値が低い。勝利点数的に価値が低い施設をどこまで建設していくのか。その見極めが生産フェイズとなる。

もう少し例を見てみよう。

1ラウンド目、家を一軒建てる。初期家と合わせて2つになる。2コインだ。2ラウンド目、2コイン獲得。もう一軒建てる。3ラウンド目、3コイン獲得、1軒建てる。4ラウンド目、4コイン獲得、2件建てる。5ラウンド目、6コイン獲得。これを続けていく。徐々に成長度合いが加速しているのがわかるだろうか。

ここで1ラウンド目で点数施設をたてるとしよう。

1ラウンド目、勝利点施設。2ラウンド目、1コイン獲得。なにもしない。3ラウンド目、1コイン獲得、1件家を建てる。4ラウンド目、2コイン獲得。

生産施設を獲得しなかった場合の落ち込み具合がわかると思う。

生産施設を基礎、点数施設をその上に立つ家だと思うとわかりやすい。小さな基礎には小さな家しか建たない。大きな基礎にはビルも建つ。どこまで基礎をデカくするのかが拡大再生産の攻略となるのだ。

攻略フェイズ

どのタイミングから点数施設を獲得していくのか。これは基本的に難しくない。相場、もしくはゲームが教えてくれる。大抵のボードゲームの場合、後半から目に見えて点数施設が増えてくる。その時点でシフトすればいい。もしくは、他プレイヤーの行動を見て、点数行動が増えてきたら、それに手を出す。もしくは、その一歩手前で手を出す。

いつまでも基礎をでかくしても、その上に建てる点数施設がなければ意味はない。ゲーム終了時までに、資源を使い尽くし、点数に変換していく。その計算、やりくりがうまくいけばいくだけ、勝利に近づく。

ゲームは実際どういう仕組で動かされているのか

では、実際に有名なゲームをいくつか上げて、それに組まれている拡大差生産のフローを見よう。

例にも上げたし、カタンから。

カタンでは基本的に、生産がそのまま点数につながる。というよりも、どの行動をしても点数につながる。なので、何をしても構わない。どの行動をしても、勝てたり、勝てなかったりする。その中で、最善策をどれだけ考え、運用できるかが大切だ。出目的に良いものを探し、そのための下準備をして、建設的に手を進めていけば、勝てる。正確にはもっともやりくりできたプレイヤーが勝てる。とはいえ、「そこに道を引かれたら私は負けるから、そうさないために他プレイヤーに手札全部渡すけれど、良いか? オレも勝てないがお前も勝たせない」など、ゲーム的にできることなら何をしてもいい、というような考えや「脅迫」するのはそもそも人間性の問題なので、ここでは無視する。

ドミニオンでは顕著だ。手札に入る金量を上げていき、点数カードを獲得する。拡大再生産を理解するにはドミニオンを何度か遊ぶとわかりやすいだろう。お金のグレードを挙げずにアクションカードを購入していっても、点数カードを買うには手が届きづらい。銀貨、金貨へと手を伸ばし、銅貨をデッキから排除し、カードを効率よく回し、8コインまで高めていく攻略フローがドミニオンの基本だ。

世界の七不思議では、時代という概念でプレイヤーを誘導している。1時代目で資源施設を獲得していき、2時代目ではちょっと特殊なものを、3時台目では資源施設は完全に出なくなる。そういうふうにプレイヤーたちをゲーム的にコントロールして、ある程度の楽しさを保って提供できるようにしている。

ゲームとしてどういったプレイヤーへとターゲットを絞られているかにもよるが、拡大再生産は、それにつながるアプローチが工夫されているものが多い。ゲームを作る方は、そういったゲームフローを見るのもまた楽しいだろう。


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