貴族のドレスを仕立てて舞踏会へと送り出す！　デッキ構築とエリアマジョリティが楽しい「ロココの仕立屋」レビューと感想

ボードゲーム「ロココの仕立屋」は、貴族のためのドレスを用意する仕立屋となり、素材を集めてドレスを作りながら他の仕立屋と競いながら覇権を競うゲームです。

基本的にはエリアマジョリティなのですが、そのエリアマジョリティに使うのが「自身が仕立てたドレスを着た貴族」で行うのが面白いですね。舞踏会で楽しむ貴族達の服で覇権を競うというような感じですか。全体的な雰囲気が凄く良いです。

大まかな流れは服を作るための素材を集め、服に仕立ててそれを売るか、もしくはレンタルするかを選ぶ。売却したらお金が回って色々な事が出来るようになるのだけれど、点数にするにはレンタルしないといけない。素材やお金のやりくりに四苦八苦するのがなんとも楽しいですね。

どのアクションを行うのかはカードをプレイする事により決まるのですが、このカードにドミニオンなどと同じようなデッキ構築の要素が含まれています。

カードそれぞれが従業員を表していて、練度によって出来る事が変わりつつ、カード毎に特殊なアクションがあります。それらがどれも強力で、あれもほしいこれもほしいとやっているとデッキが増えていきます。ただこのゲームはデッキが増える事自体はそこまで圧迫する事もありません。ドローなどといったフェイズはなくって、ラウンドの開始時に山札から自分で選んで三枚カードを手札として選び、それを使っていきます。

ここらへんが従来のデッキ構築とちょっと違う所ですね。他の人が持っていったカードを見つつ、計画を立てていくのは何とも楽しいです。

ゲーム自体のルールはちょっと多めで少し難しいですが、遊んで見るとそこまで枝葉が多くなくすごくシンプルに遊べる事に気がつきます。何度か遊び経験値を貯めていきたいゲームです。

素材を集めて服を作っていくのはフレスコやパフュームライクですし、デッキ構築などの要素もドミニオンとかをしていればすんなり理解できるでしょう。最近のゲームを一通り遊んでいるなら特に難しい要素もなく、綺麗にそれぞれのルールがかみ合っている事がわかる良ゲームという感じですね。

ドイツゲーム大賞エキスパートノミネートということで、それも頷けるクオリティの高さといった所でしょうか。

ゲームの長さも長すぎず身近すぎず、ほどよい歯ごたえで楽しめます。ボードの雰囲気も良いですし、見た目にぐっと来た方は買って損はないのではないでしょうか。オススメです。